疲れやすさ 血糖値が気になる人へ 炎症を抑える食べ方の基本

7年前、アリソン・クリスタル氏は25歳で、看護師として働きながら、心身ともに余裕のない状態で日々を過ごしていました。夫が深刻な健康上の危機を経験し、その世話と自分の仕事に追われるなかで、彼女自身の健康も損なわれていきました。

「自分の健康を完全にないがしろにしていました」と、同氏はエポックタイムズに語りました。「11kg以上太り、ひどく疲れていました。仕事のない日は1日に2~3時間昼寝をし、夜も10時間眠っていました」

食べ方を変えて1週間後、クリスタル氏は午後の昼寝が必要なくなりました。3カ月目には、境界型糖尿病につながっていたインスリン値が正常に戻りました。スーパーフードもサプリメントも使いませんでした。変えたのは、食卓に並べる食べ物への向き合い方だけでした。

大切なのは、特定の食材ではなく、食べ方のパターンです。抗炎症作用のある食品のリストはどこにでもありますが、それ以外の食事が偏ったまま、ときどき一つ取り入れるだけでは状況は変わりません。効果につながるのは、炎症と闘う食品を一貫して食べることです。その多くは、ありふれた、手に入りやすく、手軽でおいしい食品です。
 

炭水化物は敵ではない

抗炎症作用のある食品の多くが、野菜、果物、種子、ハーブなどの植物性食品だと知ると、低炭水化物の食事計画を見直そうと思うかもしれません。

「インスリン抵抗性は多くの人に見られる問題で、インスリン抵抗性があると炭水化物を摂れないと思っている人もいます」と、栄養士で認定糖尿病教育者のマーサ・マッキトリック氏はエポックタイムズに語りました。「低炭水化物食のほうがうまくいく人はいますか。もちろんいます」

しかし、炭水化物は、自然に近い状態で食べ、過度に加工せず、高温で調理せず、精製糖などの炎症を促す食材と組み合わせなければ、ほとんどの人にとって問題になるものではありません。

食品が持つ抗炎症作用に注目するなら、深い赤、紫、オレンジ、緑など、色鮮やかな食品を選びましょう。こうした色は、ポリフェノールと呼ばれる化合物が豊富に含まれていることの目安になります。ポリフェノールは、炎症に関わる酵素の働きを自然に抑えます。これらの食品は食物繊維も豊富で、炎症を抑える働きのある短鎖脂肪酸を作る善玉菌の栄養源になります。健康的な脂肪も役立ちます。

こうした食品を食べることは、砂糖入りの飲み物や食品、精製炭水化物、揚げ物、赤身肉の過剰摂取、マーガリン、ショートニング、ラードなどに含まれるトランス脂肪といった、炎症を促す食品をときどき楽しむことによる影響を和らげる助けになります。

取り入れたい抗炎症作用のある炭水化物には、次のようなものがあります。

野菜と果物

野菜と果物は、どちらも食物繊維とポリフェノールを豊富に含みます。ベリー類は、ポリフェノールに加え、鮮やかな色のもととなる抗酸化物質のアントシアニンも特に豊富です。クリスタル氏はアムラ粉末を勧めています。これはインドグーズベリーを乾燥させたもので、抗炎症作用に関わる成分を豊富に含みます。

ほかにも、ブロッコリー、芽キャベツ、カリフラワーなどのアブラナ科野菜に加え、ピーマン、キャベツ、ホウレンソウ、ケール、ニンジン、サクランボ、オレンジ、リンゴ、キウイなどがおすすめです。

果物や野菜を多く食べることは、2つの炎症バイオマーカーであるC反応性たんぱく質とTNFアルファの値が低いことと関連していると、『アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション』に掲載されたメタ分析は示しています。ただし、注意点もあります。トマト、ナス、ピーマンなどのナス科野菜には、関節炎などの症状を悪化させる可能性のある化合物が含まれています。

すりつぶした亜麻仁

亜麻仁は食物繊維が豊富なだけでなく、アルファリノレン酸(ALA)も含みます。これは植物性のオメガ3脂肪酸で、腫れや組織へのストレスに関わる酵素の働きを妨げます。チアシードやクルミにもALAが含まれています。

『プロスタグランジンズ・アンド・アザー・リピッド・メディエーターズ』に掲載されたメタ分析によると、亜麻仁の摂取は、調査対象となった3つの炎症指標のうち2つを有意に低下させました。

ハーブと香辛料

ショウガには、ジンゲロールという生理活性化合物が含まれています。『インフラモファーマコロジー』に掲載されたメタ分析では、ショウガがいくつかの炎症バイオマーカーに良い影響を与える可能性が示されています。ただし、この研究で使用されたのは、料理に加える香辛料としてのショウガではなく、濃縮サプリメントでした。

ターメリックに含まれる活性化合物のクルクミンも、サプリメントとして摂取すると炎症バイオマーカーを低下させることが示されています。

コリアンダー、セージ、ミント、バジル、ローズマリー、オレガノ、タイムは、手間をほとんどかけずに、食事に抗炎症作用のある植物由来の化合物を加えられる食材です。『ニュートリエンツ』に掲載された研究では、これら7種類のハーブが取り上げられ、ハーブが慢性炎症の予防に役立つ可能性を示す証拠が増えていることが示されました。
 

炭水化物以外の食品も取り入れる

抗炎症作用を持つ主要栄養素は、炭水化物だけではありません。ほかにも、次のような食品があります。

  • 脂肪の多い魚:サーモン、イワシ、サバ、マスには、オメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。『インターナショナル・イムノファーマコロジー』に掲載されたメタ分析によると、オメガ3脂肪酸のサプリメントは、一部の抗炎症指標を改善し、さまざまな健康状態に良い影響を与える可能性があります。
     
  • エクストラバージンオリーブオイル:ポリフェノールを含むだけでなく、一価不飽和脂肪も豊富です。一価不飽和脂肪は、細胞膜における炎症を促す飽和脂肪の影響を抑え、膜の流動性を回復させるほか、炎症のシグナルを抑制し、細胞へのストレスを軽減する可能性があります。
     
  • ナッツ:たんぱく質と脂肪が豊富なだけでなく、食物繊維やポリフェノールも含む食品です。クルミ、アーモンド、ピスタチオ、ペカンなどがあります。

『アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション』に掲載された研究では、赤身肉、加工肉、卵、精製穀物のいずれかを週3食分、ナッツ3食分に置き換えることで、2つの炎症指標が有意に低下したことが示されました。ナッツを多く食べることは、全体として、心血管疾患や2型糖尿病のリスク低下とも関連しています。
 

すべてを組み合わせる

抗炎症を意識した食事のパターンは、地中海食に似ています。地中海食には、抗酸化物質やミネラル、ビタミンが豊富に含まれています。

こうした食品をまだ食事に取り入れていないなら、買い物リストに加えるとよいと、マッキトリック氏は述べました。新鮮な果物や野菜を用意する時間がないことを心配する必要はありません。必ずしも新鮮なものを食べる必要はないと、同氏は説明しました。

「便利な食品を活用するのが大好きです。冷凍野菜や冷凍果物も、新鮮なものと同じくらい栄養があります」と、同氏は述べました。

食料庫には、エクストラバージンオリーブオイル、すりつぶした亜麻仁、さまざまなナッツや種子を常備しておきましょう。缶詰の豆やサーモンも便利です。

「缶詰のサーモンを試すのは、とても怖かったです」と、マッキトリック氏は述べました。「キャットフードのような味がすると思っていました。でも、実際にはサラダによく合います」

同氏は、いくつかの食材を組み合わせた食事の例を紹介しました。

朝食

パフェ。プレーンのギリシャヨーグルトまたはカッテージチーズに、ベリー、すりつぶした亜麻仁、クルミを加えます。

スクランブルエッグ。エクストラバージンオリーブオイルで、ホウレンソウやピーマンと一緒に卵を炒めます。付け合わせにベリーを添えます。

昼食

サーモンサラダ。サーモン、袋入りの葉物野菜、好みの野菜、ひよこ豆を合わせ、エクストラバージンオリーブオイルとレモンで作ったドレッシングをかけます。ハーブや香辛料を加えてもよいでしょう。

サーモンとアボカドのトースト。全粒粉パンにアボカド、サーモン、トマト、ルッコラをのせ、好みの生野菜を添えます。

ツナと豆のサラダ。ツナと缶詰の白インゲン豆に、トマト、キュウリ、ルッコラを合わせ、エクストラバージンオリーブオイルとレモンを加えます。

夕食

鶏肉とレンズ豆。フライパンで鶏肉、レンズ豆、ホウレンソウ、ピーマンを炒め、エクストラバージンオリーブオイル、ニンニク、ショウガ、好みの香辛料を加えます。

サーモンパスタ。パスタをゆで、サーモン、ブロッコリー、ホウレンソウ、エクストラバージンオリーブオイル、ニンニク、レモンを加えます。豆を原料とするパスタを使うと、たんぱく質と食物繊維をさらに増やせます。

サーモンまたは鶏肉のボウル。キヌアや玄米を土台にして、サーモンまたは鶏肉をのせます。葉物野菜や好みの野菜を加え、エクストラバージンオリーブオイル、レモン、クルミを合わせます。

その後、ナースプラクティショナーとなり、患者が食事を通じて病気の予防に取り組めるよう、プランテッドRXを設立したクリスタル氏は、次のような材料を使ったスムージーで1日を始めることがよくあります。

  • 有機豆乳または水:約240ml
  • 野生ブルーベリー:約85g
  • チアシード:小さじ1
  • すりたての亜麻仁:大さじ2分の1
  • ホウレンソウなどの葉物野菜:一つかみ
  • バナナ:1本
  • アムラ粉末:小さじ4分の1

亜麻仁を挽くには、安価なコーヒーグラインダーを使い、栄養素をより吸収しやすくしています。

「このスムージーは、1日に摂る抗炎症作用のある食品や食物繊維の量を増やすために、私が人々に勧める最も効果的な方法です」と、クリスタル氏は述べました。
 

よくあるつまずき

抗炎症作用のある食品をより多く食べるようになっても、その効果を実感するまでには数週間かかることがあります。また、生活のほかの面も健康的であれば、より効果を得やすくなります。

「食事にばかり集中して、全体像を見ていない人がいます」と、マッキトリック氏は述べました。

全体像には、運動、ストレス管理、睡眠も含まれます。これらはいずれも、コルチゾールを減らし、免疫細胞の働きを落ち着かせ、炎症を抑える助けになる可能性があります。

クリスタル氏によると、もう一つよくある間違いは、100%抗炎症を意識した食事を目指し、ときどき好きなものを楽しむ余地を残さないことです。これは、ほとんどの人にとって長く続けるのが難しい方法です。完璧にできなければ、すべてを諦めてしまうこともあります。同氏は、食事の80~90%を抗炎症作用のある食品にすることを目指しています。

色鮮やかな果物や野菜に注目し、食事に一つずつ取り入れることは、無理なく続けるうえで役立ちます。長期的な目標は、さまざまな抗炎症食品を幅広く食べることです。それを続けるために、祖母のクリスマスクッキーや誕生日ケーキを楽しむことも必要だというなら、それで問題ありません。

「それがうまくいってきました」と、クリスタル氏は述べました。「一緒に取り組んできた女性たちにも、何度もその効果を見てきました。科学的な知見もそれを裏付けています」
 

(翻訳編集 日比野真吾)

イリノイ大学スプリングフィールド校で広報報道の修士号を取得。調査報道と健康報道でいくつかの賞を受賞。現在は大紀元の記者として主にマイクロバイオーム、新しい治療法、統合的な健康についてレポート。