胃は食べ物が最初にとどまる場所です。 胃を良好に保ち、酸を逆流させないためには、食べ物選びが重要です。 東邦大学研究所消化器内科主任教授で、大森病院がんセンター院長の島田英明氏が胃によい9つの食品を積極的に摂取するよう推奨します。胃食道逆流を改善する「自然な胃腸薬」となり、胃食道逆流症の改善をサポートします。(編集部注)
胃腸の栄養になる食べ物TOP9
胃食道逆流を改善する
1.胃の粘膜を保護するビタミンU
キャベツに含まれるビタミンUは粘膜を保護し、潰瘍を治療する抗酸化作用があることが認められています。これらの野菜を朝に摂取したり、フルーツと野菜ジュースにして飲むと、炎症を起こしている部分を修復することができます。
2.胃の粘膜を保護するペクチン
胃腸に良い食べ物その2:胃の粘膜を守るペクチンが豊富なりんご。
ペクチンは胃の粘膜を保護する効果もあります。特に、りんごにはペクチンを含有している以外、抗酸化作用だけでなく、胃酸の分泌を抑制するポリフェノールも含まれています。
3.細胞の炎症を抑制するカロテン類
中に含まれるビタミンAは、細胞膜を作るのに使われるほか、抗酸化作用があるため、細胞の炎症を抑制することができます。
4.治癒を促進する亜鉛
胃腸に良い食べ物その4:亜鉛を多く含む肉類・魚介類。
タンパク質の消化に不可欠な亜鉛を多く摂取することで、治癒を早めることができます。 カニや牛肉(脂肪の少ない部位を少量使用)などの食材は、蒸す、煮込む、ミンチやすり身を使うなど、消化しやすい方法で摂取することができます。
5. 粘性状態になる炭水化物
胃腸に良い食べ物その5:良質な炭水化物。
でんぷんを多く含む食材は、水と一緒に調理すると粘りが出ます。 米は粥状に炊き、ジャガイモは、煮込んだり、十分に加熱してつぶしたりすると、粘膜の保護にかなり役立ちます。春雨もよく茹で、柔らかくして食べましょう。
6.脂肪分の少ない肉・魚
胃腸に良い食べ物その6:脂肪分の少ない肉や魚。
肉類は、刺激が少なく脂肪分の少ない鶏ロース肉を食べるのがおすすめです。 その他の肉類は、消化を妨げないよう、脂肪分の少ない部位の挽肉やスライス肉を選ぶとよいでしょう。 魚は白身魚など、脂肪分の少ないものが望ましく、煮込みや蒸しにして調理するのがベストです。
7.その他の低脂肪タンパク質
大豆製品の中でも、豆腐は消化がよく、胃を刺激しないのが特徴です。シチューや豆腐スープ、お吸い物、冷奴のおろしなどにしてお楽しみください。 卵は半熟状態が最も早く消化されます。
また、ゼラチンはコラーゲンから作られるタンパク質で、細胞増殖を助ける糖タンパクを増やすことが知られています。牛乳やヨーグルトなどの乳製品を使ったゼリーなどの食品で摂取することが望ましいとされています。
8.非刺激性脂質
オリーブオイルなど刺激の少ない油脂や、乳化油脂(生クリーム、ホイップクリーム、マヨネーズ)など、消化がよく少量でも摂取できる油脂が注目されています。
9.胃腸薬として使用されるスパイスやハーブ類
強い香辛料やハーブはできれば避けたいものですが、なかにはかなり有効なものもあります。 例えば、シナモン、フェンネル、クローブ、タイムなどは、胃腸薬としてよく使われます。 また、山椒はゲップや胸やけに良いとされ、和菓子の「切山椒」も効果的です。
梅干しは良いものなのか悪いものなのか
胃食道逆流症の人は、基本的に胃液の酸性度を高める食品は避けるべきですが、純粋に酸性の食品は食べられないわけではありません。これは、酸性の食品が体内に入るとアルカリ性の食品に変わることがあるからです。
例えば、塩分が非常に高い食材、最も代表的なのは梅干しです。梅干しは酸性が強いですが、ナトリウムが多いので、体内でアルカリ性になります。塩分過剰摂取の問題にも注意が必要ですが、塩分13%の梅干し(種を抜いて約15g)には、わずか2gの塩分しか含まれていません。
酸っぱい味の梅干しは、最初は食べられないと思うかもしれませんが、胃食道逆流症に効果的な食材の一つです。
「你又胃食道逆流了嗎」(方舟出版)より抜粋
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