野菜は、生でも加熱調理しても、ビタミン、ミネラル、食物繊維など多くの健康成分を含む優れた食材なので、いつもたくさん食べましょう。
しかし、野菜は火を通すと栄養素が壊れてしまうと考え、生で食べることを好む人も多いのではないでしょうか。実は、生より加熱した方が良い場合もあります。例えば、熱で抗酸化物質が活性化したり、細胞壁が分解されて栄養素が体に吸収されやすくなるケースもあるのです。
食材を上手に使って、できるだけ多くの栄養を摂りたいという方のために、加熱調理すると栄養価が高くなる野菜を紹介しますので、ぜひ活用してみてください。
1.ホウレンソウ
ほうれん草には鉄やカルシウムの吸収を阻害するシュウ酸が含まれていますが、シュウ酸は高温で分解されます。ある研究では、ほうれん草を熱湯でさっと茹でてから冷水に浸すと、シュウ酸塩の含有量が平均40%減少することがわかりました。したがって、ほうれん草を調理すると、より多くの鉄分とカルシウムを体内に取り込むことができます。
2.きのこ類
きのこには、カリウム、ナイアシン、亜鉛、マグネシウムなど、多くの栄養素が含まれています。米国農務省の栄養データによると、加熱したホワイトマッシュルーム1カップには、心臓によいナイアシン、筋肉を強くするカリウム、骨を増強するマグネシウム、免疫力を高める亜鉛が、生のマッシュルーム1カップの2倍も含まれているそうです。
また、食用のキノコでも少量の毒素が含まれていることがありますが、これは調理すると消えます。
3.ニンジン
ニンジンに含まれるカロテノイドは強力な抗酸化物質で、2008年に『農業と食品化学雑誌』(Journal of Agricultural and Food Chemistry)に発表された研究では、ニンジンを柔らかくなるまでゆでたり蒸したりすると、カロテノイドレベルが14%増加することが示されました。一方、油で焼くとカロテノイドの含有量は13%減少しました。
4.アスパラガス
いくつかの研究により、調理工程がアスパラガスの栄養価を高めることが示されています。『国際食品科学と技術雑誌』によると、アスパラガスを調理すると、抗酸化物質及びその他6種類の栄養素の含有量が16%以上増加することがわかりました。また、別の研究では、調理によってアスパラガスのフェノール酸(phenolic acid)含有量が2倍になり、ある深刻な慢性疾患のリスクが減少することが示されました。
5.トマト
調理の過程で、リコピンの利用率を大きく高めることができます。リコピンは、心臓の健康を改善し、心臓病やその他の慢性疾患の発症を抑えることができる抗酸化物質です。
2002年の研究によると、調理によってトマトの吸収性リコピンレベルが35%上昇したそうです。この調理によってビタミンCの量は減りますが、それでもトマトに含まれる抗酸化物質の総効果は62%増加するという研究結果が出ました。
6.ブロッコリー、カリフラワー
未調理のブロッコリーやカリフラワーは、腹痛、鼓腸、膨満感など、さまざまな消化器系の問題を引き起こす可能性があります。これらのアブラナ科の野菜を調理して摂取すると、胃の調子が良くなるだけでなく、病気に効く成分を増やす特定の酵素を活性化させることができます。
調理方法はさまざまですが、蒸すと栄養価が高くなり、揚げると栄養価が低くなる傾向があります。また、調理時間も関係し、調理時間が短いほど栄養価は高くなります。
著者略歴
Devon Andreは、カナダのウィンザー大学(University of Windsor in Canada)で法医学の学士学位を、ピッツバーグ大学(University of Pittsburgh)で法学博士学位を取得しています。
この記事は「Bel Marra Health」に掲載されたものを、『大紀元時報』が許可を得て、英語版、中国語版で転載・翻訳したものです。英語版記事はこちら:Some Veggies Are Healthy When Cooked(加熱すると健康になる野菜がある)
(翻訳・李明月)
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