イギリス・エセックス州のある女性は、息子に風邪をうつされ、体調を崩し、その後2週間、昏睡状態に陥りました。しかし目覚めたときには過去20年間の記憶を失い、何もかも思い出せなくなったそうです。
英紙「デイリー・ミラー」によると、クレア・マフェットリースさん(43歳)は2021年3月、息子に風邪をうつされて、寝込んでしまいました。
しかし、翌朝、彼女は目覚めることはなく、夫のスコットさんは救急車を呼び、クレアさんは病院に運ばれ緊急処置を受けました。
思いのほか、彼女の症状は重く、彼女は人工呼吸器につながれました。それから16日後、ようやく昏睡状態だった彼女が目を覚ましました。
しかし、彼女は20年分の記憶のほとんどを失ってしまっており、まだ家族の顔は覚えているものの、自分の人生について多くのことを忘れ、別人になったようです。
例えば、スコットさんがいつプロポーズしたのか、いつ結婚したのか、いつ子供が生まれたのか、彼女は覚えていませんでした。また、休日、疫病、都市の閉鎖といったことも忘れていました。
スコットさんは、妻が昏睡状態に陥ったときの恐ろしい体験を思い出しながら、「当初は脳出血と思われたが、その後、医師は脳出血を否定した」と述べました。
結局、医者はウイルスによる脳炎で脳がやられていると診断しました。スコットさんは彼女が目を覚ましたとき、ほっとしたものの、彼女の記憶喪失に打ちのめされました。
クレアさんは記憶を失っているため、亡くなった親族がまだ生きていると思い、その話をします。そういう時、スコットさんはその親族はもう亡くなっている事を彼女に伝えなければなりませんでした。そしてスコットさんの話を聞くと、彼女は、まるでその話を初めて聞いたかのように打ちのめされました。
スコットさんは「今一番大切なのは、彼女と一緒に暮らすことだ」「ビデオや写真を見せて、昔の思い出が蘇るのかを見たり、あるいは彼女にもう一度体験させてみよう」と語っています。
ただクレアさんが記憶喪失になったことで、夫婦の生活に問題が生じても、二人はすべてをユーモアをもって受け止めているようです。スコットさんは、自分が「世界一の夫」に見えるように、彼女の高価なハンドバッグを再包装してプレゼントしようかと冗談を言いました。
(翻訳・里見雨禾)
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