記憶力は人間にとって重要な能力です。幾つになっても、日常生活や仕事の上で役立つ記憶力を維持することは、ささやかな喜びでもあります。
アミン・ジャー博士はマイアミ大学の著名な研究者で、専門は神経科と心理学です。
彼女は今年1月1日、財経ウェブサイトへの寄稿で、記憶力の維持と増強のために知っておきたい3つのプロセスを紹介しました。
1、頭のなかで特定の光景を思い出す
まずは、思考を柔らかくして、こんな光景を頭のなかで思い描いてみましょう。
「日常の業務のなかで、精神集中して情報を追跡している自身の姿」
「職場に来た新しい同僚が自己紹介するのを、初めて聞いて反応している自身の姿」
「自分が以前に受けた仕事関係のトレーニングで、最も重要なことを教えられた時の自身の姿」
「つい最近の体験のなかで、最も興味深かったことを思い出している自身の姿」
いかがです。思い描けましたか?
そのほか「幸福な瞬間の記憶(例えば、親族の結婚式、祝杯を挙げる、おいしいケーキの味)を思い出す」。それとは逆に「辛かった瞬間の記憶を振り返る」は、いかがでしょう。
このような「思い出し」を意識して行うことも、記憶力維持の助けになります。
2、思考を細分化する
細分化とは、「新しい経験や情報」を自分の「既存の知識や記憶に結び付ける」ことです。このようにして、人はより豊富で鮮明な記憶を保存することができるのです。
例えば、海にいる「タコ」の姿を想像してみてください。
ここで、ある人が「タコは3つの心臓をもつ」という新しい知識を耳にしたとします。
すると、それを初めて聞いて、興味をもったその人は、既存の知識である「8本の足をもつタコの姿」に「3つの心臓」を当てはめて、いろいろ想像するのです。
これは、その人にとって記憶された知識となります。
どこかで実物のタコを目にした時は、隣の人に向かって「タコには心臓が3つあることを、あなたは知っていますか」と、つい言ってしまうかも知れません。
3、繰り返し再生する
前述の2つのプロセスは、どちらも初期記憶の形成をサポートするものです。
これらの初期記憶の情報を、より永続的な形で脳内に留めるには、「繰り返し再生」して長期記憶のなかに刻み込むことです。
記憶力の維持は、こうして大脳を絶えず刺激することで達成されます。
(翻訳編集・鳥飼聡)
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