「油を使わず揚げものができる調理器具」は、エアフライヤーあるいはノンフライヤー(ノーオイルフライヤー)と呼ばれています。器具の呼称については、商品名も含めて、いくつかあるようです。
この種類の家電製品が市販されるようになって、もう10年ほどになるでしょうか。
日本では、電気炊飯器のように毎日使うものでもないので、各戸に一台普及しているわけではありません。ただ、近年の健康志向から「油で揚げない調理法」への関心が高まって、この種類の調理器具を使う人も増えているようです。
実際、油で揚げずに、鶏のから揚げや天ぷら、フライドポテトができると言うのですが、一体どんな仕組みなのでしょうか。
台所のテーブルに置ける家庭用エアフライヤーは、揚げ油ではなく、電気で熱せられた「高温の空気」をファンで循環させます。
その熱風を下処理した食材に多方向から当てることで、から揚げにちかいカリカリした食感が出るよう加熱調理するのです。
実は「対流式オーブン」と同じ仕組みなので、その種類のオーブンがあれば、新たにエアフライヤーを購入する必要はありません。
一般的なエアフライヤーは、ほんの1~2食分の量を調理するだけですので、用途と人数に合わせて、ご検討いただければ良いかと思います。
さて、そのエアフライヤーですが、おいしく調理するにあたっては「ちょっとしたコツ」があると言われています。
まだ使い始めの頃は、食感がパサパサで全くおいしくない、見事な「失敗作」になることもあります。
そんな失敗を防ぐため、例えば「鶏から揚げ」ならば、オイルスプレーで少量の油を噴霧してから加熱調理してみてください。きっと満足のいくメインディッシュが作れると思います。
エアフライヤーは、揚げ油を使わない代わりに、素材そのものの油脂を熱して香ばしく揚げます。そのため、具材の表面に油が少なすぎる場合は、極端に乾燥するだけの結果になってしまうのです。
食材自体に油が適度に含まれていれば、オイルスプレーは必要ありません。
ただ、衣をつけた野菜コロッケなどは、オイルスプレーをひと吹きしてから加熱すると、ちょうど良い状態で出来上がります。
ここで私たちは、一つのことに気づきます。
エアフライヤーで「油を使わずに揚げる」といっても、全く油分を必要としないわけではありません。おいしく調理するためにオイルスプレーをさっとひと吹きするように、やはり少量の油分は必要なのです。
それでも、通常の揚げものよりは、格段に油分を少なくすることはできます。
そんな器具の特性を知った上で、楽しく、ヘルシーな調理をしてみませんか。
(翻訳編集・鳥飼聡)
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