中国共産党風刺ソングが大ヒット 新疆人権や台湾独立など言及 5日で900万再生回数

マレーシア歌手・Namewee(黄明志)とオーストラリア歌手・キンバリー・チェン(陳芳語)の中国共産党体制を揶揄するコラボ曲『玻璃心』(ガラスの心)が15日、YouTubeで公開されてからわずか1日で100万回の再生回数を突破し、世界中で絶大の人気を博した。

『玻璃心』は、中国社会の時事問題をユーモラスに反映した曲で、歌詞やミュージック・ビデオは、中国共産党による国内への抑圧を非難している。同曲は、中国で公開された翌日に削除され、2人の微博(中国のSNS、Twitter相当)アカウントも永遠に削除された。

(中国社会の時事問題をユーモラスに反映したコラボ曲『玻璃心』のPVは こちらから)

作曲と作詞を担当したNameweeは「歌が物議を醸しているのは勿論いいことだね。共感が得られているんじゃないかな。この歌を皆がユーモラスに受け止められたらいいね」と語っている。

歌詞には「爬墻」 「綿花」 「共同富裕」など、中国共産党独裁の中国ではデリケートな単語がいくつか登場していた。

中国のネット上では「爬墻」 は中共のネット封鎖を越える事、「綿花」は世界中から非難されている中共の新疆の奴隷労働 、「共同富裕」は平等の名のもとに当局が富裕層から財産を奪うことを暗喩する言葉になっている。

他にも動画の中では共産党が人民から搾取していることを意味する「ニラを切る」シーンが登場し、字幕はすべて簡体字で表示され、過激な親中共ネットユーザー「小粉紅」を刺激する内容で、そのせいか、新曲が発表された当日に、2人の作品は中国の音楽配信サービスから放送禁止となってしまった。

また、Nameweeは微博アカウントが削除されたことについて、「あまり緊張しないでください。この歌は実はとてもポジティブで、子犬、猫、コウモリ、ハクビシンなどの小動物を愛することについて話している。牛、羊、豚、鶏、魚介類も愛しているという感じだね」と中共のコロナ隠蔽を揶揄したり

「むやみに壁を登らないでください、危ないのでおじいさんが知ったら怒ります。この歌は子供に似合うと思います。教育的な歌です」と壁を登る(中共のネット封鎖を越える)ことを子どもたちに知らせようとしているかのようなコメントもしている。

実はNameweeは今年8月にも、自身の微博でタリバンに向け、アフガニスタンの権力を取り戻すための必要な措置と題して、

「タリバン指導者の巨像を作り、スローガンを街中に撒き散らし、学校では生徒に洗脳教育を行い、タリバン指導者の偉大さを伝える」

「海外のSNSで、タリバン政権を批判する人のアカウントに侮辱的メッセージで攻撃する」

など、合計8つの措置を紹介し、微博アカウントを閉鎖されていた。

それらはいずれも中共政権下ではおなじみな措置で、ネット上には「中共についてよく知っている」「国家機密を漏らしている」などの皮肉なコメントがあがっていたという。

(Nameweeのタリバンに向けた「政権樹立のための8つの提案」の詳しい内容はこちら

(翻訳・柳あきら)