脂肪肝は太ってこそできるものではない!脂肪肝を逆転させる2つの行動
脂肪肝は世界で最も一般的な慢性疾患の一つとなっており、痛みも痒くもないが、肝硬変や肝臓がんに進行することがある。
幸い、脂肪肝は逆転することができ、その方法はとても簡単で毎日できる。
脂肪肝は肝硬変や肝臓がんになる可能性がある
脂肪肝とは、中性脂肪が肝細胞に蓄積され、肝臓の働きに悪影響を及ぼすこと。
ただし、通常は症状が表れることはなく、健康診断をしてみないとわからない。
そのため、気づかないうちに脂肪肝は悪化してしまう。
「肝臓は体のデトックスと解毒の工程を担っている」
体と心の予防医学の専門家、ローザン予防医学グループのローザンガザン院長は、重度の脂肪肝になると、体の解毒や代謝能力が著しく低下し、その影響は全般的に大きいと指摘する。
重度の脂肪肝は肥満、高コレステロール、高トリグリセリドを引き起こし、脳卒中、心筋梗塞などの心・脳血管疾患のリスクを増加させる。
さらに肝硬変、肝臓がんなど不可逆的な重症になることもある。
肝硬変は肝不全や肝臓移植の原因になり、肝臓がんは死亡率の高いがんだ。
2018年、『肝臓病学コミュニケーション(Hepatology Communication)』に掲載された研究によると、慢性肝炎ウイルスに感染していない人に対しては、脂肪肝が肝がんの大きなリスク要因であることがわかった。
脂肪肝は太っているからできるものではない、夜更かしやストレスが敵だ。
脂肪肝はアルコール性脂肪肝と非アルコール性脂肪肝に分けられ、前者は長期間の飲酒によるもの、後者は生活習慣が関係しており、発症率は増加し、若年化している。
またやせ型の人も脂肪肝になる。
「肝臓病学(Hepatology)」で発表された研究によると、欧米では脂肪肝患者の15%が太らないという。
やせ型の人は、体内に高い胆汁酸とFGF19というタンパク質を持っていて、この2つの物質がエネルギー消費量を増やして体型を維持しているのだが、肝臓がこっそり太ることに抵抗できない人がいる。
そのため、やせ型の人が急に体重が増えたり、腹囲が大きくなったり、腹型肥満を伴う場合には、脂肪肝の兆候である可能性があるので、注意が必要だ。
脂肪肝は肝臓の脂肪がうまく代謝されないため、代謝に影響を与える要因が脂肪肝の原因となる。
不適切な食習慣:不摂生、高カロリーで精製された食品を食べ、余ったカロリーを肝臓で脂肪に変換する。
生活習慣の乱れ:座りっぱなし、夜更かし、どちらも代謝が悪くなる原因になる。
生活上のストレス:「すべての代謝問題はストレスと関係している」とロザンガさんは言う。ストレスは代謝を悪くし、脂肪肝、血糖異常、心血管疾患などを引き起こす。
ネガティブな感情:脂肪肝に間接的に影響する。
気分が悪くて暴飲暴食をしたり、うつ病になったりすると、代謝に影響して脂肪肝になる。
脂肪肝を逆転させる2つの行動
幸い、肝細胞は再生力が高く、脂肪肝は逆転できる。
1.歩数計をつけて毎日1万歩歩く
「ウォーキングは最も実現可能でシンプルな運動です」とロザンガさんは言う。毎日、楽しい気持ちで歩くことをおすすめする。
歩数計をつけて1日最低1万歩を歩くようにして一定期間続ければ、頑固な脂肪肝を取り除くことができる。
日本で有名な「中之条研究」では、毎日1万歩歩くことで、メタボ、高血圧、糖尿病、がんなどの予防効果があることがわかっている。
「徳成医館」の院長、中医師の陳徳成氏は、歩く時は腕を振って大股で歩くのが良い。
必ず踵を地面につけ、太ももの筋肉に力を入れなければならない。
このようにしてこそ体を振り切ることができ、スポーツ傷害を起こしにくい。
ランニングマシンで歩くのが習慣になっている人は多いが、実はランニングマシンで歩くと膝を痛めてしまうという。
同氏は、「多くの人は、ジムのランニングマシンで膝を痛めている」と指摘した。
1万歩を30分で達成する人もいれば、1時間以上かかる人もいる。人それぞれの体調に合わせて歩き、速く歩けない年長者はゆっくり歩き、体重超過やメタボの人は少しずつスピードを上げていくとよい。
ウォーキングの時間帯は、例えば、朝はウォーキングをし、お昼はご飯を買って歩くといった生活のリズムに合わせて、柔軟に配分することができる。
ただし、食後30分以内に胃の中に食べ物が残っているので運動はよくない。
2.水をしっかり飲んで代謝を上げて痩せる
脂肪肝を逆転させるもう一つの方法として、ローザンガザンは毎日大量の白湯を飲むことを推奨している。
温かいお湯が一番良い。
一般成人は毎日3000mlを推奨している。
脂肪肝、高血糖、高血圧などあらゆる代謝の問題は、「水を飲んだほうが早く改善する」と彼は言う。
水を飲むことで新陳代謝が活発になり、ダイエットにも効果がある。
医学雑誌『Obesity』に掲載された研究によると、食前に500mlの水を飲めば、満腹感が増し、食事量を減らして体重を減らすことができるという。
食事の30分前に水を飲むのが最も効果的だという研究もある。
運動をし、水をよく飲むだけでなく、体重管理や普段のバランスの取れた食事、動物性脂肪やでんぷん類を減らし、季節の野菜や果物を多く摂取することも脂肪肝の逆転に役立つ。
(翻訳 源正悟)
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