イギリスのジャズ・サックス奏者トニー・コフィさんは、若い時に臨死の体験をしたことがありました。死ぬ瞬間に未来の映像が目の前に現れ、これまで起こったことがないことも、目の前に現れました。その後はサックスの練習に励み、ジャズ・サックス奏者になりました。
トニー・コフィさんは、16歳の時にノッティンガムの建築現場で見習いとして働いていました。ある時彼は、不注意に三階から落ちたことがありました。その時、かなり遅いスピードで、目の前に複雑な映像がちらついていました。
トニー・コフィさんは「頭の中には色々なものが浮かんできました。それは会ったことのない子供たちや友人のようでした。それらの人々は現在、私の友人です。そして楽器を演奏する映像も頭の中に残っていました」と、BBC放送局に語りました。
トニー・コフィさんは頭を打ち、意識を失いましたが、病院に運ばれた時、自分が変わったかのように感じました。そして以前の生活に戻りたくなかったのです。
彼は「何かを見せられた」と感じ、数週間の間、あらゆる光景が次々に頭の中でひらめきました。そして、それらの光景は、彼の未来を表していました。
その後、コフィーさんがサックスの写真を見たとき、死にかけていた瞬間、頭の中で自分が演奏していた楽器は、サックスだったとわかったです。そして、彼は事故の賠償金でサックスを買い、学び始めました。
現在、トニー・コフィさんはイギリスで最も成功したジャズ奏者になりました。彼は2005年と2008年にBBCジャズ音楽賞を2度受賞しました。
イギリスのリーズベケット(Leeds Beckett University)大学の心理学の講師をしているスティーブ・テイラー(Steve Taylor)氏は、瀕死の状態で一生の光景を見たという症例報告は、100年以上も存在していると述べています。
例えば、1892年、スイスの地質学者アルベルト・ハイム(albert heim)が山を登る途中、崖から落ちました。彼は、遠くの舞台に過去の人生の様々な場面が現れたような気がしたそうです。
最近だと、2005年に、イギリスのロンドンの地下鉄で、複数の爆破事件が起きました。ギル・ヒックス(gill hicks)というオーストラリア人女性が負傷し、臨死体験をしています。
彼女は「私の人生が目の前でひらめきました。すべてのシーン、喜びや悲しみの瞬間、そして私がしてきたこと、つまり経験してきたことがすべて含まれていました」と述べました。
スティーブ・テイラー氏は「あるケースでは、人々の生涯の記憶を見ることはなく、彼らにとって特別な思い出や経験の場合もあります」と述べています。
(翻訳・溝部 東)
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