時が満ちれば、すべては元の場所へ返る。これが、自然の摂理なのかもしれません。およそ80年ぶりに、子供のキリスト像(ベイビー・ジーザス)がアメリカのある教会に戻ってきました。
今年3月、アメリカ・ニュージャージー州にあるOur Lady of Grace 教会に怪しげな段ボール箱が送られてきました。粗雑な荷造りで、発送人の住所もない。牧師のアレックス・サントーラさん(Alex Santora)は、危険物である可能性を疑い、警察に通報しました。かけつけた警察が装置で検査し、爆発物ではないことを確認。サントーラさんたちは、慎重に箱の中身を調べました。
すると、そこに入っていたのは、およそ80年前にこの教会からこつぜんと姿を消したベイビー・ジーザス。ほんの少しの欠損があるだけで、状態はいたって良好でした。
荷物には、一緒に手紙が同封されていました。
「私の母によると、このベイビー・ジーザスは1930年代、母が12歳の時に、Our Lady of Grace教会から盗まれたものだそうです」
手紙によると、どういうわけかベイビー・ジーザスはこの母親の父が所有しており、そのまま次世代へと受け継がれ、最後にこの送り主に託されたようでした。
「このような経緯を聞いていたので、正当な持ち主の元へ返還すべきだと思いました」
手紙の結びには名前もサインもなかったため、誰が書いたのか分かりません。サントーラ牧師が調査した結果、荷物はフロリダ州から発送されたことが分かりましたが、送り主は特定できませんでした。
Look what just arrived. A #BabyJesus stolen in the 1930s is returned to its church . My story @news12nj at 8 pm pic.twitter.com/dFvME3cD4H
— John Bathke (@JohnBathkeLive) 2018年3月15日
奇しくも、ベイビー・ジーザスが教会に届いたのは、イースター(復活祭)の直前。教会に通う人々も、「迷子の子供が戻ってきたようだ。素晴らしいね」「いいことですね。善い人間がいるものです」とうれしそう。
サントーラ牧師は、「これだけの年月がたっているのに、正しいことを行い、返還できるなんて感心します」
「人間は常に、正しいことをやろうと努力するものであることを、教えてくれました」と話しています。
(翻訳編集・郭丹丹)
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