タイ、野生ゾウが「パイナップル強盗」に 果物積載トラックだけ狙う?

タイで野生ゾウによる「強盗」被害が出ている。しかも、新鮮な果物を積んだトラックだけを狙って犯行に及ぶが、ほかの車は襲わないという。バンコク・ポスト紙は30日、タイの野生ゾウが高速道路で走行中のトラックを止めて、摘みたてのパイナップル約100キロを食べたと報じた。

地元住民のソンワン(Sornkhwan Uthaitham)さんは、フワヒン郡ホアヒン(Hua Hin)国立公園の道路でゾウがトラックの荷台からパイナップルを食べていた様子を撮影し、写真をFacebookにアップした。「一頭のゾウが前足でトラックを止め、荷台に積んだ食べ物を発見」との説明がつけられた。

パイナップル貿易商社の経営者スワン(Suwan Kaeopoltrang)さん夫婦は、パイナップル加工工場に向かう途中で、2回も空腹の野生ゾウに襲われたと同紙の取材で述べた。

最も最近は今週月曜日(29日)のこと。前回野生ゾウに出会った同じ上り坂で減速した時、突然野生のゾウ1頭が現れた。トラックはゾウに押されて身動きがとれなくなり、片方のサイドミラーも壊れて落ちてしまったという。

ゾウに阻まれた45分の間に、トラックが斜面を滑り落ちないようにスワンさんはずっとエンジンをかけたままで、たまにアクセルを踏んだりしていたという。ゾウがエンジンの轟音に刺激されてうなり声を上げた。

同紙によると、事件は電波に届かない地区で起きた。幸いにも、通りかかりのパトカーの警察が公園管理者を呼び、ゾウは追い払われた。

地元住民によると、これまで野生の象にはこうした振る舞いがめったに見られない。しかも、特に新鮮な果物を運搬するトラックだけを狙った犯行で、ほかの車両へは襲わないのだという。

(翻訳編集・王君宜)