美しく光り輝くダイヤモンド。結婚指輪など、女性にプレゼントすれば喜ばれるジュエリーとして名高い宝石です。ダイヤモンドについて、あまり知られていない5のことをお伝えします。「永遠の愛」などと銘打った、華やかなこの宝飾品の広告イメージが、変わるかもしれません。
1.高硬度で切れ味抜群
研磨剤ダイヤモンドはネックレスや指輪のためだけに使われているわけではありません。高い硬度の鉱石として、のこぎりなど工具の刃にダイヤモンドの粒子が埋め込まれているものもあります。加工された刃は、岩、レンガ、コンクリートなどを切断することができます。ほかにも、熱や電気伝導性が高くなる人工ダイヤは、電子移動度発電所の機器、トランジスタ、発光ダイオードに利用されています。
2.作られたイメージと希少性
ダイヤモンドの年間の市場規模は600億ドルとされています。9割の米国男性は、結婚指輪はダイヤモンドの指輪を選ぶといいます。どうしてここまで人気があるのでしょうか? この鉱石は20世紀初頭より、デビアス社が世界規模に産業促進したため、知名度が高まりました。
米紙ワシントン・ポストは2013年8月、調査会社 PriceonomicsのCEOロヒン・ダール氏の文章「ダイヤモンドはでたらめ」を掲載しました。それによると、ダイヤモンドの価格には、その美しい輝きだけでなく、同社の巧妙なマーケティング戦略と、デザイン特許料、プロモーションにより上乗せされた「付加価値」が、原石の値の半分以上を占めると伝えました。
市場価格も、デビアス社の供給統制により長らく高値が維持されています。「結婚指輪はダイヤモンド」「月給1~2カ月分」という戦略も、同社の広告宣伝が成功して浸透したと報じています。
3.世界の埋蔵量を超えるクレーター衝突
ロシア中部クラスノヤルスク地方にある、直径約100 kmの小惑星の衝突によるクレーターには、1兆ドルの価値のダイヤモンドが埋蔵されています。世界中のダイヤモンド鉱脈の合計埋蔵量を超えると推定されていますが、宝石の品質レベルではなく、多くはドリルや刃物の研磨剤に使用されています。
4.ヒトの炭素から作るメモリアル・ダイヤモンド
ヒトの遺体から炭素を抽出してダイヤモンドを生成することができます。スイス拠点アルゴンザ社は、遺灰や毛髪からダイヤモンドを作るサービスを提供しています。誕生するダイヤモンドの色は無色透明からブルーへと、炭素の成分の違いで色が決まるとされます。
今日、人工的に作り出す合成ダイヤモンドは、天然のと美しさは見分けが難しくなるほど精度が高まっていて、さらに安価に作り出すことができることから、合成ダイヤの宝石市場の進出は、天然ダイヤを取り扱う業界にとっては脅威になりつつあります。
5.ダイヤモンド惑星
地球のほかに、ダイヤモンドが豊富にある惑星があります。イェール大学の科学者たちは「かに座55番星e」という星について、まさに「ダイヤモンド惑星」であると主張しています。この惑星の直径は地球の約2倍、質量は7.8倍です。
調査によると、星の内部はダイヤモンドで出来た層があると考えられていて、その質量はこの惑星の1/3、地球の3倍もの質量ものダイヤモンドがあると推測されています。
(翻訳編集・佐渡 道世)
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