皋陶(こうよう)が唱える九つの徳

【大紀元日本6月11日】舜帝の頃、皋陶(こうよう)という人物がいた。彼は裁判を司り、その裁きは常に公平で正確だった。孔子曰く、「舜が天下を支配していた時、彼は皋陶を重要な任務に就けた。すると、不仁な者は皆、退いていった」。皋陶は裁判の制度を整えただけでなく、心を修めることの重要性についても舜に提言している。

皋陶は皋城の生まれ(現在の安徽省六安市)で、彼は天が万物を創造し、人間に善良でのある性質を与えたと信じていた。彼は、「天は徳のある人間を識別し、罪を犯した者に罰を下す。聖人は九つの徳をその行いの中で現す」と指摘している。

皋陶が挙げる人間の九つの徳とは、「寛大にして慎み深く、温和にして志があり、謙虚だが荘重で真剣である。さらに能力があり慎重で、人の意見に耳を傾けるが決断力があり、正直で優しく、率直で詳細な事まで気を配り、志操が正しくて地に足が着き、強靭で道義的である」と述べている。

また、皋陶は舜帝に次のように進言した。帝自らが厳格に心を修めれば民衆もそれに従い、帝を敬う。もし帝が寛大で高潔でなければ、民衆は法に従わなくなる。また、帝が正しい目で人を判断し、よい人材を的確な場所に配置するならば、彼らはよりよく民衆のために働くだろう。つまり、民衆が安定した生活を過ごすことができて始めて、徳政の威力が現れるのだ。

(翻訳編集・郭丹丹)