【大紀元日本11月19日】中国湖北省建始県を流れる大沙河という川で、渡し船の船頭の仕事を120年間ボランティアで続けている一家がある。彼らは、風が吹いても、雨が降っても、一日たりとも中断することなく船を漕ぎ、無事故であることを誇りにしている。華西都市報が伝えた。
万其真(マン・チゼン)さん一家が船頭を続けているのは、彼らの先祖がある約束をしたことがきっかけだった。
1877年の夏、水害を逃れてこの村にやってきた其真さんの先祖・万作柱(マン・ズウチュ)さんは、村民たちが幅150メートルもあるこの川を渡るのに、小さな小船を利用しているのを目にした。船はあまりに小さく、村民たちが川に落ちそうになっていることに気付いた万さんは、家族と相談し、数匹の豚を売って10人乗りの船を造り、無償で川渡りを買ってでた。誰もが、万さんの善行に心を打たれた。
一方、当時の役所は40ヘクタール近い肥沃な田畑を無料で作柱さんに提供し、税金を免除することを決定した。一家の生活が保障された万さんは、一心に「船頭の義務」を務めた。こうして40年が過ぎた1925年のある夏、病気で死を目前にした作柱さんは、息子と孫を枕元に呼んだ。「船頭の義務は、我々万家が村民たちと交わした約束だ。お前たちが、ぜひ続けてくれ」と遺言を残した。
これがきっかけとなり、万家の子孫たちは先祖の約束を片時も忘れず、船頭の仕事をやり続けてきた。
万家の4代目として船頭の仕事を引き継いだ万其真さんは、68歳。毎日50回以上、川渡りを行っている。
万さんは、「長年の川渡りで、一度も事故を起こしたことがない。私の誇りです」と話す。
中国には「一諾千金」(1つの約束は、千金に価する)という諺があるが、万さん一家の行いはまさにその通りだ。
(翻訳編集・柳小明)
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