全世界中国料理コンテスト:腕前と人徳に注目

【大紀元日本8月1日】正統的な中国料理は五味の組み合わせと色、香り、味、形を重んじる。「中華料理の飲食文化を発揚し、伝統料理の調理法を探し出す」をテーマに、新唐人テレビ局主催で第3回全世界中国料理コンテスト・アジア太平洋地区予選が7月24と25日、台湾高雄県立体育館で開かれた。

大会には中国料理を代表する5大流派の四川、山東、東北、広東、淮揚の達人81名が集まり、腕を競い合った。

*色、香り、味で勝負 料理人の腕前が試される

今回の予選には2つの特徴がある。一つは、前大会で始められたオープン型のコンテストを踏襲し、調理する全過程がよく見えるよう調理ステージが観衆に向けられていること。会場内は心のこもった料理の香りで満たされ、観衆は度々熱烈な拍手を送る。コンテストの臨場感は、更に高まった。

もう一つの特徴は、「正統的な中華料理の調理技法を高めること」を目的としていること。審査の基準は包丁を駆使する腕前や歴史の伝承、伝統的な調理法であることなどがポイントとなる。また、「調理する過程の衛生状態」が重視され、食材を用意する段階でも化学薬品の使用は禁止された。コンテストに参加した_zhan_志成氏は、「今大会で最も難しかったのは化学調味料の使用が禁じられたこと。キッチンには醤油、砂糖、塩など基本的な調味料だけが用意され、料理人としての腕前が試された。また、基本的な調理法のほかに、往年アメリカで行われた決勝戦で受賞した料理人と彼らの作品から、主催者側が中華伝統文化の内涵を回復することに努めていることが分かった」と話した。

*料理を通じて表現する中華文化 料理人の人徳も大切

中国の伝統文化は料理をどのように位置づけているのだろうか?中国料理は、5千年の伝統文化の中で重要な役割を果たしている。前中国国家特級料理師で、今大会審査委員会主席の曲運強氏は次のように述べた。「中国は5千年の文明を持ち、美食も5千年の洗礼を経ている。種類は豊富で変化に富み、博大で深みがあるうえ、五味の組み合わせも重んじる。中国料理の最大の特徴は、『味が核心、養生が目的』であり、色、香り、味、形を通して現される。伝統料理を継承することで、正統な料理の特徴が保たれ、純正な味わいが尊ばれるようになる」

料理人にはさらに重要な役割がある。食材選びや包丁を使った作業に加え、料理人としての「人徳」を備えなければならない。それがあって初めて、中華料理の「色、香り、味」がイキイキと発揮できるようになる。山東料理や広東料理を堪能した審査員の陶鎮宇氏は、「工夫した上で、更に人柄が端正な人こそ良い料理を作ることができる」と話した。

選手たちの作品

衛生を重視し、手袋を付けて調理する参加者

また、曲運強氏は、「大衆に歓迎されて認められれば、真のものが広く伝わる。宮廷料理やレストランの料理の大部分はもともと民間のもの。主体は変わっていないが、調理法がいっそう入念になったのでさらに人気を博した。伝統的なものにはしっかりとした基礎があるため、幅広く伝わる。もし、人々が伝統を重視せず、伝統文化の回復に取り組まなければ、その真髄はだんだんと失われてしまう」と話した。

今大会を通じて中華伝統文化の回復をはかり、料理人が腕前だけではなく人徳も大切にすることを、切に願っている。

(翻訳編集・李頁)