ネットで話題を呼ぶ「西湖の美少女」

中国のネット上で最近、18年前の「西湖の美少女」の写真が話題を呼んでいる。その少女は日本在住の中国人女性で現在は1児の母。彼女の信念は「作らない美しさが、一番美しい」という。

中国十大風景のひとつに数えられる杭州市・西湖のそばに佇むひとりの美少女。18年前に撮影された写真の中の少女は、素肌のまま爽やかな白いスカートに身を包んでいる。自然に微笑む表情から伝わる純朴な美しさが、多くの読者に感銘を与えている。

写真の女性、殷(いん)さんは高校を卒業して日本へ留学した。中国に住んでいた時、ミス杭州のコンテスト出場者に選ばれたが、日本留学が決まってやむなく途中で棄権。その後、日本の大学でミスキャンパスに選ばれた。殷さん本人は、18年前の自分の写真が中国のネット上で話題になっていると知り、驚きを隠せない。と同時に、写真を見て学生時代を思い出し、懐かしさに涙をにじませる。

中国では近年、多種多様なネットアイドルが誕生している。広大な中国で注目を集める手段として、手っ取り早いのはインターネットのブログなどで発信し、有名になるケースだ。例えば、日本でもニュースになった「芙蓉姐姐(フヨウお姉さん)」は、2004年ごろから全国で絶大な人気を博した元祖・ネットアイドル。自己陶酔による奇怪な言動と服装などで有名となった。これらのブームを背景に、「18年前に撮影された少女の写真を見て、時の経過と共に私達の美に対する価値観は変わったのだろうか」というテーマで、「美に対する価値観」の再考をうながす記事が注目を集めている。

06年に日本のポーラ文化研究所が20~59歳の女性2500人に行なったアンケートによると、「きれいな女性」のイメージで一番多かったのは「きちんとしたマナー」で73%、続いて「言葉遣い」58%。肌や顔立ちはその後に続く結果となった。外見よりも内面を女性の美の条件として挙げる人が多いことが分かる。2007年に日本人として48年ぶりにミスユニバースで優勝した森理世さんは、「日々のトレーニングによって、自信は作られると思う。外見だけ着飾っても、いつかそれははげてしまう。自分を内側から磨いて、中身をしっかりさせなければならない」と語る。

「西湖の美少女」殷さんも、「女性は自分に自信を持つことで美しくなる。飾らない自然な美しさが一番美しい」と話している。
 

(翻訳編集・山本)