【党文化の解体】第4章(10)

【大紀元日本4月16日】

2.無神論から来る無鉄砲

4)社会的な危機をもたらす性の氾濫

現下の中国では、「貧を嘲笑い娼を嘲笑わない」社会になってしまった。中共の政治改革は禁域となっており、その反面、「性生活」に関しては最も徹底的に開放したのである。不倫、愛人、一夜情、二人目の妻、ホワイトカラー階級による換妻ゲーム、未婚同棲、ネット結婚、電撃婚、隠す婚、成人用品店、売春、風俗マサージ、ストリップ、テレビ・映画も情欲を煽てるシーンや性感美女の紙媒体上において風騒を独り取り等等、政治といったら色も変わるような中国社会では、まさに前代未聞の「性革命」を引き起こしているかのように見える。公安部門による統計では、1984年に検挙された売春婦の人数は六千人と言われている。1999年ではすでに四十五万人に達している。検挙される人数は一直線で上昇しているが、検挙率が1%であるのかそれとも10%であるのかは誰も知らない。きっと10%を超えない。黄潮(性産業関連)が全国民を席巻する中、青少年のみならず、中老年も弱を示さず、まるで過去に「失われた光陰」を取り戻すかのようである。映画「携帯」や元安徽省副省長の名言―「売春の取り締まりはイコール投資環境の破壊である」はこの社会の現象を如実に映っている。一昔を思えば「全国赤に染められ」だが、今日を見れば「全国黄に染められ」である。

不倫・愛人、性的賄賂は官僚たちが求める一種の「流行」となる。それを恥と思うどころか、光栄と思っている。統計調査によると、検挙された官僚のうち、95%は愛人をもっているという。1999年、広州、深圳、珠海が公表した102件の官僚汚職事件のうち、100%の人が「二人目の妻」をもっていた。しかし、これはまだ氷山の一角に過ぎないのである。天門市委員会書記・張二江氏は一人で107人の愛人をもっているというのだ。

政府から民間まで、権勢人物から百姓まで、道徳による拘束がなければ、チャンスさえあれば、性的便益を求めようとする。上級から下級へ、社長から社員へ、教授から学生へ、監督から役者へ、強者から弱者へ、所謂セクハラは随所に現れる。天理、倫理は一切無視される。

人間を培う教育関連の学校でさえ、人でなし教員が現れる。レイプされ妊娠してしまうのもあれば、レイプされた後二人目の妻にされるのもある。レイプ未遂後殺害されるのもあれば、幼児にまで手を出すのもある。国内のメディアの報道によると、2003年、重慶大足県にある一人の小学校教員は、2002~03年にかけて、自分の教え子の未成年女子生徒十人に対して、レイプ、猥褻行為を繰り返したという。甘粛隴西県のある中学校の体育の先生は、裏口入学を手口に、十二名の中三女子生徒をレイプし、そのうち二人が妊娠してしまった。貴州省錦屏県河口村中仰小学校のある51歳の先生は一年半の期間中に、四十二回に渡って、女子生徒12人をレイプし、三十五回に渡って女子生徒16人に猥褻行為を繰り返した。その悪夢から免れたのはわずか三人しかすぎなかった。2004年6月、臨夏県にある小学校の先生が一年半の期間中において、三年生の九名の女子生徒に対して、複数回に渡ってレイプと猥褻行為を繰り返し、そのうち、蹂躙された回数が最も多いのは数十回にのぼる。しかし、これら女子生徒の一番年上の子でも十五未満であった。そのほかの生徒は9~10歳の女の子であった。湛江市管轄の雷州市南興鎮にある某小学校の校長・林登平はわずか三ヶ月の間、七回も事件を起こし、十一名の当該学校の女子生徒をレイプ、被害を受けた子の中、最年少者はわずか十歳であった……この種の理性を失って気も狂わんばかり、目にも痛ましい悪行は、今日の中国においては珍しくない現象となってしまった。

中国人は、古くから性の問題に関しては、厳粛で、真面目な考え方をもっていた。貞操を守ることの大切さを重く見ていた。結婚してから、はじめて同居ができる。結婚のときは、両親を拝み、天地を拝み、天地神明が自分の婚姻の証人になってもらう。反対に、もし不義や淫乱と訴えられたら、大きな罪になる。強姦は殺人、放火と同様に極悪非道の罪である。「万悪は淫から始まり」、しかし今日の中国人は、まるで先祖の古訓を完全に忘れられているかのようである。このような現状は、中共による伝統的な道徳価値観の破壊、無神論、唯物論の宣伝と密接な関係をもっていると言わざるを得ない。中共の党文化の中で、権力が道徳を解釈するようになり、権力さえあれば、条件さえ整えば、欲しいままにふるまって何らはばからない。共産党初期の「共産共妻」から、毛沢東の淫乱ぶり、そして今日の中共官僚の腐敗堕落まで、政府から民間まで、一切の伝統価値はすべて転覆され、一切の家庭倫理観が捨てられた。しかし、我々は歴史から度重なる受けた教訓とは、性の乱れは往々にしてその民族を滅亡させる前兆である。

5)「風俗・賭博・麻薬」産業を保護する官僚

中国では、売春という風俗業はずっと非合法的であった。性関連産業は必ず軍・警察と手を組まなければその生存と発展は不可能である。一部の性関連産業は、もはや軍・警察と協同で作りあげた。一部の店もこの点を掩蔽しようとしない。なぜならば、これは安全保障を提供する証拠となるからである。例えば、軍部や警察の招待所は逆に繁盛ぶりを見せている。性に関連するサービス業の経済的利益はますます拡大している。就業人数は一千万人と言われている。関連する消費は一兆元に上る。2000年では、警察の取締強化により、失業した女性性関連就業者の消費の低下により、中国のGDPが1%引き下げられたと経済学者の楊帆氏が予測していた。北京大学中国公益宝くじ事業研究所兼任研究員である王増先氏は、ある研究会において、「保守的予測である」が、毎年六千億元近くの賭博資金が海外及び香港・マカオへ流れ込む。麻薬市場では三千億元強の市場規模をもっており、麻薬常習者は一千万人を超える。瀋陽市麻薬取締部隊の隊長・陳鑫、瀋河公安支局元局長・曲月福と現局長・張保華、及び警察官100人以上が、麻薬の売人の保護役となり、麻薬の売人は警察と手を組んで、麻薬の取引が「一蓮托生」となっている。風俗・賭博・麻薬の三大市場はすでに相互関連しながら発展しているような状況である。この三大業種に従事する人員は、特殊な地位と背景が必要であるため、中国の軍・警察及び政府要員はこの三大業種のもっとも重要な受益者となる。なぜならば、政府及び軍・警察が背後に立たなければ、この三大業種は中国で寸歩も動き難いからである。政府の官僚は風俗に関与し、賭博に関与し、麻薬に関与し、下級は上級の真似を行い、このようにして、中国人は麻薬を売り・吸い、賭博、売春・買春などに関しては、見慣れるほど不思議に思わない。酷い場合には、自ら参与し、悪事をしているとは思わないのである。

経済発展がもたらした現代的生活を感じると同時に、人々が身に染みて痛感しているのは、社会道徳の低下によってもたらした一系列の社会問題である。ある人は共産党のことを次のように比喩している。共産党は過去の教科書の中で宣伝していた「徳育、知育、体育」を全面的発展させることは、今日になって、実社会においての「権欲、銭欲、性欲」に取って代わられ社会全体に広がってしまった。これを「三玩博士(権力を玩ぶ、銭を玩ぶ、女を玩ぶ)」と名づけられる。偽物が横行し、性が氾濫、マフィアが暗躍し、官と民とが癒着し、警察と匪賊が結託しているが、これに対して、民間の苦しみは誰も聞こうとしない、社会の公正は実行されず、内在的道徳の拘束もなければ、外部による世論監督もなく、法律の拘束もない現下のこのような社会は、皆被害者となってしまう。

(続く)