神話と伝統芸能で町興し=宮崎県高千穂町

【大紀元日本4月12日】宮崎県高千穂町は、「天岩戸伝説」で有名な町だ。一頃は、宮崎県全体の観光客の足が遠のいていたために町全体の営業収入も落ち込んでいたが、東国原・現宮崎県知事が天の安河原に参拝して知事選に勝利してからは、知事自体の営業PRも効を奏して、文字通り県自体の観光収入は倍増した。

そんな知事が観光の目玉として注目するのが、神話と夜神楽に代表される伝統芸能だ。「天の安河原伝説」は、国を治める天照大神の弟神であるスサノオノミコトが、高天原で畦を埋めたり、馬の皮を剥いだりして、狼藉をしたためにアマテラスが天岩戸に隠れる。すると、この世が暗くなったために、八百万の神々が「天の安河原」に集って善後策を協議したという故事に基づく。

高千穂町の夜神楽は、この天岩戸伝説に基づいて、天照大神が岩戸に隠れた際に岩戸の前で天のウズメが舞ったのが始まりとされ、毎年11月の末から翌年の2月まで町内の各所で舞われる夜神楽は全部で33番を数える。毎夜、観光客相手に披露される高千穂神社の夜神楽では、このうちの四番が舞われている。最盛期の冬季に高千穂町で舞われる夜神楽は夜を徹してのもので、このシーズンには関東や関西からの常連客が大勢押し寄せ、町内の旅館業者はかきいれ時だ。

地元の農業法人「おたに家株式会社」の営業部長・田崎さんは、「以前は町全体の売り上げが落ち込み…どうなるものかと思ったが、知事が新しく就任してからは事態が一変した。これからは、地方行政の長もあのようにマスコミへの露出度が効を奏する人でないと駄目なのではないか」と期待すべき知事像を口にする。

8日、東国原知事はWBCで活躍した青木選手に県民栄誉賞を授与するため東京の神宮球場に駆け付けた。このフットワークの軽さと熱心で持続的な営業活動が、県民の支持と信頼を得ていることは間違いない。

夜神楽「いざなぎ・いざなみの舞」(高千穂神社・神楽殿10日午後8時頃、写真=大紀元)

天岩戸神社の参道入り口付近に建てられた「たじからおの命」のレプリカ(写真=大紀元)

日本の原風景が残る町内。案山子やの屋台(写真=大紀元)

夜神楽「戸取りの舞」(高千穂神社・神楽殿10日午後8時頃、写真=大紀元)

国道218号交差点付近の標識(写真=大紀元)

アベックなどの観光客で賑わう「天の安河原」(写真=大紀元)

天の安河原に通じる深山幽谷(写真=大紀元)

(記者=文楽)