【大紀元日本11月5日】
唱歌「金太郎」
まさかりかついで きんたろう
くまにまたがり おうまのけいこ
はいしどうどう はいどうどう
はいしどうどう はいどうどう
神奈川県と静岡県に広がる火山地帯に、足柄山の金太郎伝説が髣髴(ほうふつ)として誕生しました。この一帯には箱根駅伝で知られる、険阻な山岳の自然が蔓延(はびこ)っています。はるか古代には・・・真っ赤なマグマが噴出する光景が見られたことでしょう。
マグマの火柱で鍛えて鋳造した鉞をかついで、足柄山の大自然の全てと友達だったのが「金太郎」でした。金太郎が身に付ける真っ赤な菱形の腹掛けは、地のマグマを支配する勲章の証です。金太郎は灼熱の赤い竜(マグマ)と、山姥(やまうば)の子供として誕生したと言われています。
原始以来の手付かずの大自然=山姥の産湯につかって成長を遂げた金太郎は、熊や鹿や山岳と遊ぶことによって、自然の元気玉を一身に集めた怪力と心の優しさを養ったのです。気は優しくて力もちの金太郎は、1900(明治33)年に唱歌に歌われ、やがて小学校国語読本にも「金太郎」が登場すると全国版アイドルとなりました。
まず気が優しくて、それに加えて力持ちというのが、金太郎キャラクターの真骨頂でした。頭の賢さは?・・・大自然の智恵がありさえすれば、それで充分だったのです。ずる賢さとは無縁の天然のキャラクターが、縦横無尽に鉞を振るって鉄槌を悪に下します。
金太郎を産み育てた山姥は、紅葉の女神とも呼ばれました。色づく紅葉は地のマグマの真っ赤な色でもあったので、そう呼ばれたのです。熊とお相撲を取ったりする元気一杯の金太郎の声は、紅葉の秋にこそ相応しく山岳の自然に響き渡っています。地のマグマの振動を感知する人は、紅葉を刈り取る金太郎の鉞の風切る音を聞く事ができるでしょう。
足柄山の紅葉狩りは金太郎伝説に色濃く彩られ、それはそれは優しい人になって森の懐に染まり、心の自然力をマグマの智恵と共に回復することなのです。
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