【大紀元日本7月25日】南岳衡山で発見された「鎮山の宝」―禹王碑が今月上旬、専門家の鑑定を経て本物だということが最近明らかになった。この禹王碑は、中国最古の王朝・夏を開いた禹王の石碑とされ、黄帝陵、炎帝陵ともに中華民族文物の三大瑰宝と称されている。この石碑は、千年前に行方がわからなくなっていた。
80年~90年代初め、湖南省南岳衡山県福田鋪郷雲峰村七組がこの巨石を発見。石の表面には二匹の竜が不規則に交差し、中ほどがくぼみ、上部には不規則な文様が施され、人が彫ったということが確認できる。
巨石はその後、地元の農民が家を立てる際、壁の一部とされていた。本年6月から、湖南省文化財局が調査を始め、発見された場所、形状、大きさおよび周辺の環境と資料が合致し、禹王碑の原碑と確認された。
史料の記載によれば禹王碑は峋嶁(ごうろう)碑あるいは大禹功徳碑と呼ばれ湖南省南岳衡山峋嶁(ごうろう)峰に建てられた。言い伝えによればこの碑は夏禹遺跡を讃えるものであり、そのため禹碑、禹王碑、大禹功徳碑などとよばれている。
この碑は中国最古の石刻で、珍しい篆書文、9行77文字が刻まれている。字体はオタマジャクシが曲がったような形をしており、甲骨、鍾鼎、籀文の書体とも違う。明代学者・楊慎と沈鎰らはこの文字を解釈しており、碑文の記述と歌は大禹治水の功績を讃えているもので、この碑は鎮山の宝と称された。
南宋嘉定五年(1212年)何致が南岳を訪れた際、この碑の全文を写し、長沙岳麓山雲麓峰に復刻した。また明代の長沙太守・藩鎰はこの碑を世に知らしめるため、各地に復刻碑を置いた。雲南大理、四川北川、江蘇南京栖霞山、河南禹州、陝西西安碑林、浙江紹興、湖北武漢均にその碑が残っている。
確認された原碑は、今後も詳しい調査が進められ、文化財として保護申請する予定。
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