【大紀元日本8月20日】1987年、天津市安定医院精神病医学教授の馮志頴教授(当時)は同僚と共に、1976年に起きた唐山大地震の生存者100名を探し出し、臨死体験に関する調査を行った。そのうち、男性43人、女性38人が、瀕死状態の時に不思議な体験をしていたことが分かった。新華ネットが伝えた。
調査によると、半数近くの人が自分の身体から意識が離れていくのを感じたり、自分自身がこの肉体から離れ、空中で浮いたように感じたりしたという。また、およそ3分の1の人は、自分自身がトンネルのような空間を通過しているような、不思議な感覚を覚えている。更に、およそ4分の1の人が、当時、身体はすでに自分のものではなかったという。体の各部位が空間の中でばらばらに落ち、引き続き底知れぬ深淵に落ちたように感じ、あたり一面が暗闇であったという。
「臨死体験」の取材事例
唐山大地震の時、劉さん(当時23歳、女性)は、崩壊した建物の下敷きになり、腰椎に傷を負って立ち上がることができなかった。彼女は自分が救出される前の臨死体験を話した。「私は頭脳明晰で、意識がはっきりしており、かつ素早く回転していた。楽しい生活風景、例えば映画を見ているかのようなものが一コマずつ頭の中を飛ぶように過ぎていった。幼年時代に友達といっしょに遊び楽しんでいる時、恋愛中の幸せな時、仕事で会社から表彰を受けた時の嬉しさなど、これらすべてが数秒間の間に現れた」。
また、ある生存者は次のように話した。「暴風がひどく吹き荒れ、ほこりがもうもうと立ち込め、人影もなく、どこに行けばよいかと慌てたとき、大きな洞窟が現れた。中に入って行っても恐怖感はなく、洞窟の中は次々とたくさんの滴がはね上がっていた。しばらく歩くと微かな光が見えたように感じ、私は急いで走り出して洞窟を後にした。すると明るい空が見えた」。又、もう一人の生存者は、「当時、自分の身体は二つに分かれていた。一つはベッドの上にあり、それはただの空っぽの体だった。もう一つは自分自身の身体で、空気より軽く、空中にゆらゆらと揺れ、非常に心地よく感じていた」。
生存者の李さんは、過去を思い出してこう言った。「当時、身体はもう自分のものではなくなり、下半身はいつのまにか無くなってしまった。身体の各部位は空間の中にばらばらに落ち、引き続き底知れない深淵に落ちたように感じた。周りはあたり一面の暗闇だった。この時、猛スピードで自分の一生を振り返った。しかし、このような思い出は大脳の支配を受けなかった」。このような体験をした人はサンプル総数の4分の1に達している。
81例の調査を通じて明らかになったことは、次のとおりである。(1)半数以上の人が、生命の危険に遭遇しても、怖えることなくかえって意識がはっきりしており、安心して気持ちが落ち着いていたこと。(2)半数近くの人は意識が身体から離れるように感じ、空中でゆらゆらと浮いたように感じたこと。(3)およそ3分の1の人が、自分がトンネルのような場所を通る不思議な感覚を覚え、奇怪な騒音を伴ったり、あるいは引っ張られたり、押されたり感じたこと。また、そのうちの一部の人は自分が歩いた暗いトンネルの奥に明るい光が見え、「光明がすぐ来る」と感じたこと。
調査を行った馮志頴教授は、「臨死体験は必ずしも宗教を信仰する人だけに現れるものではない。東洋と西洋で宗教や文化、伝統に大きな違いがあっても、臨死体験の内容はそのほとんどが同様なものだ」と語っている。
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