実際、10億年分の地層が消えたことを発見してから今日までの152年の間、多くの科学者が探索・研究し、多くの仮説が生まれています。
4つの説から見えてくる、地球の知られざる歴史
スノーボールアース現象
地球表面全体が凍結するほどの激しい氷河時代が存在したという考えの「スノーボールアース説」が、地球史の研究者の間で主流となりつつあります。
米国のダートマス大学のC・ブレンヒン・ケラー教授とそのチームは、地球のスノーボール段階は先カンブリア時代の約7億1700万年前に始まり、約5億8000万年前に終了したと考えています。 巨大な氷河は、地表の厚さ3〜5kmにも及ぶ岩石層を押し流す力があり、10億年分の地層を洗い流すのに十分な量だったというのです。
それでは、5億8000万年から5億5000万年までの3000万年の間の岩盤層は、誰が削り取ったのでしょうか?つまり一見、正解の説のようですが、3000万年分の地層が欠落していることを説明できないため、認められないのです。
超大陸説も同じ運命を辿ってしまいました。
超大陸の死
この仮説は、約11億年前から7億5000万年前にかけて存在したと考えられているロディニア大陸理論に基づいています。地殻変動により、ロディニア大陸は約2億年の歳月を経て、7億5000万年前に完全に崩壊しました。そして、その失われた岩層は、超大陸の崩壊とともに消え去ったといいます。
それでは、7億5000万年後にできた岩石層は誰が運び去ったというのでしょうか?
そこで、岩石層の消失は、超大陸+スノーボールアース現象といった複数の大きな出来事が重なった結果だという第3の仮説が登場しました。
岩石層の消失は、いくつもの大きな出来事が原因か?
この説の提唱者であるコロラド大学のレベッカ・フラワーズ教授は、カナダ北東部のハドソン湾周辺の広大な古代岩盤層でも、異なる時期の不整合を発見しました。そこでフラワーズ教授は、10億年前の地層消失はいくつかの小さな地層消失の組み合わせであると考えます。
また、この地層消失は氷河による侵食ではなく、地殻変動によるもので、海抜が高く、堆積物が岩石に定着しにくかったため、この時期の岩石層がほとんど形成されていない可能性を示唆しています。
測定方法の偏り
カリフォルニア大学サンタバーバラ校の地質学教授であるフランシス・マクドナルド氏は、熱年代学と呼ばれる、岩石が形成されてからの温度変化を測定してその歴史を推測する技術を紹介しました。
「これまでの年代測定法で花崗岩の年齢を1億年と測定した場合、実はこの1億年はマグマが冷えて固まった時間であって、その岩石が地球上に存在していた時間ではない」といいます。
簡単に説明するなら、測定し出した時間は生の肉まんを蒸している時間であり、アツアツで食べられる肉まんの出来上がりの時間ではないということです。
一方、熱年代学は、岩石が地表に押し出されたおおよその時期を測定することができるため、比較的正確だといいます。
果たして熱年代学は、岩石の年代を正確に測定し、このグランドキャニオンの地層の謎を解くことができるのでしょうか!?
楽しみに待ちましょう!
この青い惑星にはまだまだ多くの謎が隠されており、科学者たちは忙しなく毎日研究・探索を続けています。しかし、「この世に謎はない、私たちがその真相をまだ見ていないだけだ」「すべては神の創造物である。ありのままの真実を尊重すればいい」という意見もあります。
あなたはどの説がより受け入れやすいと思いますか?
(完)
詳しくは EPOCH TV をご覧ください
https://www.epochtimes.jp/2022/07/110824.html
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