日本人があまり知らない八宝粥の魅力

中国でよく食べられるメニューに「八宝粥」があります。台湾などではお寺のお供え物として供えられることも多く、一般的なスーパーなどでも缶詰やレトルト食品として販売されており、ごく普通に食べられています。

毎年、旧正月前には臘八粥と呼ばれ、食すると縁起の良いものとされており、中国人にとってはおなじみの食べ物なのです。

ただもち米は白米と比べて粘り気があり消化しにくいので、適度に食べることをお勧めします。朝食にほかほかのお粥を食べれば、1日中体も心も温まります。漢方医は、冬に八宝粥を食べると健康維持に役立つと言っていますが、「温めて食べる」というポイントを忘れないでください。

八宝粥に使われている材料は、脾臓と胃を調節し、中気を養い、血液に栄養補給し、冷気を追い出し体を強くする効果があり、いずれも甘く、温性で栄養価の高い食品です。また体液を作り、喉の渇きも癒します。

このお粥に入っているもち米は、漢方では温性で甘く、血を養い、喉の渇きを癒し、イライラを解消して、脾臓と胃を強化するとされ、また、中気を養い、胃を温め、虚汗を止め、頻尿を治療すると考えられています。

「八宝粥」は、粗い穀物や細かい穀物、豆、ナッツなど、天と地の植物のエキスの結晶とも言えます。八宝粥に使われる材料はそれぞれで、穀物、豆、果物など、よくその土地の特産物が使用されています。

「八宝粥」の材料

八宝粥は宮廷内でも食されていましたが、清王朝の宮廷では、ハスの実、レンズ豆、大麦、リュウガンは味を損なうため使用されていませんでした。

『燕京歲時記』の記録では「八宝粥は、黄米(キビ)、白米、江米(もち米)、キビ、栗飯、栗、赤川豆(大きな小豆)、皮をむいたナツメを煮たものである」と記されています。

外用としては、赤桃、アーモンド、メロンの種、ピーナッツ、ヘーゼルナッツ、松の実と白砂糖、黒砂糖、ブドウ(種なしブドウの一種)などが使われていました。

鍋に様々な材料と水を入れて沸騰させたら、火を弱火にして1〜2時間煮込み、ピューレ状にしたナツメを加えてしばらく煮ます。すると大きな鍋の中で、さまざまな素材の味がきれいに調和されます。

現在でも電気鍋や圧力鍋で、簡単に八宝粥を作ることができます。盛り付けには、ナッツやレーズンを加えたり、砂糖を加えてみたり、お好みでアレンジします。

天と地のエッセンスが1度に味わえるお粥として、食事のメニューに加えてみてはいかがでしょうか

(翻訳・星野一)