ロンドン大学クイーン・メアリー・カレッジ(Queen Mary University of London)の動物神経行動学者クリント・ペリー(Clint Perry)氏が率いるチームで、マルハナバチが糖分の入った水を見つけた時に、それに近づこうと飛行速度を速め、甘い水を飲んだ後は気分を高揚させるという発見を米科学誌「サイエンス」に発表しました。
チームは実験時二つの容器に、一つは水、もう一つは60%のショ糖を添加した水を入れました。そして、35匹のマルハナバチを放ち様子を観察しました。すると、マルハナバチは甘い水の入った容器に向かう飛行速度が、水のみ入った容器に向かう飛行速度より早いことがわかりました。チームは、「人間でいうと、嬉しい気分でいる時にあいまいな状況に置かれても楽観的な判断ができる様子が見られた」と指摘しています。
また、糖分を摂ったマルハナバチは飛ぶスピードを増し羽音が大きくなるだけでなく、マルハナバチがショックを受けた後に回復する時間もより短いことがわかりました。
チームは捕食動物のクモに攻撃されたようなショックをマルハナバチに与えてから、元の状態に回復するまでの様子を検証しました。すると、糖分を摂っているマルハナバチは糖分を摂っていないマルハナバチより回復が早いという結果が出ました。
チームは、「甘いものは大人が持っているネガティブな感情や気分を改善することができるし、赤ちゃんが嫌な物事を拒否するためのしかめた顔や泣くことを緩和させることに役立つ」「今回の実験で、マルハナバチにも同様な認知的反応があった」と述べました。
(翻訳編集・潤)
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