オバマ大統領も気づいた? 平和公園の不思議 広島2大世界遺産めぐり

平和公園の原爆死没者慰霊碑の前で今年5月にオバマ大統領がスピーチをしたことは記憶にも新しいところですが、この慰霊碑、前に立つと皆あることに気づきます。

それはちょうど正面に原爆ドームが見えることです。これは偶然ではなく平和公園を設計した世界的建築家、丹下健三氏の着想によるもので、同じ線上には核兵器が廃絶されるまで灯されるとされている「平和の灯」の炎も見えます。慰霊碑に祈りを捧げる時、誰もが目の前の炎と原爆ドームを見て、それぞれ平和への思いを寄せるのではないでしょうか?

平和記念資料館(撮影 大紀元/大道)

慰霊碑を中心に原爆ドームとは真反対の位置にある平和記念資料館(写真の左側の建物)には、原爆で亡くなられた方の遺品など原爆の惨状を伝える展示物が多数あり、改めて「平和」というものについて考えさせられます。オバマ大統領は被爆した佐々木禎子さんが病気の回復を願って折った鶴など数点の展示を見て、自らが折った鶴4羽を広島市へ贈りました。大統領の行動に感銘を受けた日本人も多いのではないでしょうか? その折り鶴は、今月31日まで資料館に展示されています。

元安川をはさんで向かって左岸が原爆ドーム、右岸が平和公園 
(撮影 大紀元/大道)

原爆ドームや平和公園がある付近は緑が多く、橋と分岐した川が織りなす風景がとても美しいです。あたりをしばらく散策してみるともう一つの世界遺産、宮島へ向かう高速船の乗り場があります。平和公園から45分という短時間で宮島に到着できることと、陸とは違った視点で広島を楽しめてオススメです。市内から瀬戸内海に出る時、目の前の景色が開けなんとも言えない開放感があります。

宮島に近づくと厳島神社の有名な大鳥居が見えます。春には桜、秋は紅葉と訪れる観光客の目を楽しませてくれる宮島ですが、夏は水中花火大会があります。船から海に投げ入れられた水中花火と空へ打ち上げられる花火が次々と大鳥居のシルエットを浮かび上がらせ、荘厳な水上絵巻を繰り広げます。

(文・大道)