あじさいの思い出

【大紀元日本6月18日】近所の家の庭に、今年もあじさいが咲いた。あじさいを見ると、母方の祖母思い出す。

明治生まれのハイカラな祖母。そうそう、自らを「かっとびばあちゃん」と称していたっけ。そんな活動的な祖母は、保険の営業をして母と伯母を育てた。営業用の白い小さな車に乗って、70歳まで仕事を続けていたのだ。

母も勤めていたので、小学生の私は学校が終わると、家から離れた学童保育に通っていた。そのため雨が降った日などは、忙しい母はかまってやれない私を不憫に思ったのか、営業で外を回っている祖母に、私を迎えにいくよう頼んでいたらしい。それで雨の日は、祖母がいつもの白い小さな車で、私を迎えに来てくれたのだ。

その時も、雨にぬれた紫のあじさいが、祖母の車の窓から見えていた。

道端に咲いていた、あのあじさいとともに、優しい祖母の記憶がふと蘇ってくる。

 (彩)