【大紀元日本9月25日】金属を豊富に含む英国や欧州の鉱山地帯に多く見られるアブラナ科グンバイナズナ属のAlpine pennycress(別名Thlaspi caerulescens)という野生の花は、葉に大量の亜鉛、ニッケル、カドミウムを集積する性質がある。これまで、なぜこの植物が高濃度の金属を蓄積するのかは不明だったが、最新の研究で、病原微生物の侵入を防ぐためであることが分かった。同研究は、米科学誌「プロス・パソジェンス」(PLoS Pathogens)に掲載された。
実験を担当した英オックスフォード大学のヘレン・フォーンズ研究生は、葉に含まれる亜鉛、ニッケル、カドミウムの濃度を少しずつ高めたAlpine pennycressを育て、これらの金属が病原微生物から植物を守ることを確認。また、様々な細菌の系統を調べ、高濃度の金属がある環境での、バクテリアの繁殖能力と植物への感染能力を分析し、それらに密接な関係があることが分かった。
同大学のアンドリュー・スミス教授は、「今まで、なぜAlpine pennycressがこのような有害な金属をたくさん蓄積しているのか分らなかった。今回の研究で、この植物が金属を蓄積するのは、病原微生物や草食動物からの侵害を防ぐためであることが分かった」と述べた。
この他、研究者たちは英ウェールズ地方の亜鉛鉱山跡地に生えるAlpine pennycressの上に生存するバクテリアを発見。このバクテリアは、普通の土壌に生えている植物に生存するバクテリアよりも、より亜鉛に対する耐性が強いという。このことから、植物と病原菌は共に、金属を豊富に含む環境に適応し、耐性が強くなる傾向があると研究者らは指摘している。
(翻訳編集・市村)
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