【大紀元日本6月25日】雨の日。あなたは憂鬱な気分なので、灰色の服を選ぶ。友人は、あなたの服がいつもの明るい色ではないことに気づき、コーヒーを飲みに行こうと誘った。友人との楽しい会話で、あなたの気分はすっきりと明るくなった―。
着用者の友人でなくても、その人の気分が分かる「スマートな服」が、科学者により開発された。着用者の気分に合わせて反応し、着用者の必要な情報や励ましのメッセージを親しい人の声や映像を通して伝えてくれるハイテクな衣服だ。
ウェブサイト「TechNewsDaily.com」の報道によると、カナダとイギリスの研究者が開発したこの「スマートな服」は、心理面や健康維持など多くの領域への適用が期待されている。例えば、医療の分野ではこれらの服を利用して、患者の心身の健康を増進させることが可能だ。患者は自宅や病院でこの服を着ることにより、気分転換することができるという。
この服は、着用者の心拍数、体温、呼吸、皮膚反応などの身体的なサインを測定する無線バイオセンサーが織り込まれた特殊な繊維で出来ており、発光ダイオード(LED)、小さなスピーカー、スマートフォン(Smartphone)、携帯情報端末(PDA)につなげる電子装置などが装着されている。
スマートフォンを通してインターネットと接続された服に内蔵されたデータベースは着用者の「憂鬱な」気分を察知し、電子装置に指示を出して事前に設定した親戚や友人の情報の中から、人を励ます言葉や歌、映像などのデータを選択し、着用者に伝えることができる。
これらの情報は、テキスト形式で服の袖についている画面に表示されたり、フードの部分に埋め込まれたスピーカーを通して、着用者に音声として伝えられる。
「スマートな服」の開発に参加したコンコルディア大学(Concordia University)のバーバラ・レイン(Barbara Layne)教授は、「まずこの服を着用する前に、一緒にいたい人を選びます。それはあなたの遠く離れている恋人、無くなった両親、親友など、誰でもよいのです。選ばれた人は、あなたの傍にいることができます」と述べた。着用者は一日に何回でも気分設定を変更することが出来る。
「スマート服」は男性用と女性用の2種類があり、2年間、博物館で展示される計画がある。
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