【大紀元日本6月14日】インターネットは人類を知的にするものだろうか?それとも、無知にするものであろうか?
アメリカの作家ニコラス・カー氏(Nicholas Carr)は6月、「What the Internet Is Doing to Our Brains」(インターネットが我々の脳に与える影響)という著書を出版した。カー氏は2008年にも「Is Google Making Us Stupid?」(Googleは人類をダメにしているのか?)という論文で、オンラインツールが人間にもたらす悪影響について論じ、当時話題となった。
テクノロジー、ビジネス、文化など様々なジャンルを執筆しているカー氏は、インターネットが人類の知性向上に寄与するという説に反論している。カー氏は、自らの体験をもとにインターネットが人類のもっている集中力と高度な思考力を害していると主張している。
ロイター通信によると、インターネットが脳に与える影響を調べるため、カー氏は自らのインターネットに費やす時間を極力減らしてみたという。常時インターネットに繋いでいる状態の時は、注意力が散漫になり仕事にも専念できなかったが、インターネットと距離を置いてからは、このような状況から抜け出すことができたという。
カー氏は、「私はFacebookとTwitterのユーザーアカウントを削除し、電子メールも数十秒おきに見るのではなく、一日に何回かチェックする程度にした。すると、以外なことに大きな変化が生まれた」と語った。最初は生活の一部になっていたインターネットの時間を極力減らしたためにイライラすることもあったが、数週間後、それに慣れると長時間集中して作業することができるようになったという。
インターネット時代の真っ只中で暮らしている私たちは、テキスト、ピクチャー、ビデオ、音楽など山のような電子情報の中に埋もれて生活している。オンラインチャットや電子メール、Facebook、Twitter、ブログなどの様々なコミュニケーション手段により、私たちの脳は一つのことに専念できず、常に妨害されている状態にある。カー氏はまた、これにより長期的な記憶を行う能力が重視されなくなり、より人間は物事を浅く考えるようになっていくことを懸念している。
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