【大紀元日本3月16日】一つの課程を<修>了して巣立つ晴れの舞台に「春」ほど似つかわしい季節はありません。心身ともに学業を修して卒然と旅立ってゆく子供たちのハレがましさは、いつの世も芳ばしい春の香気を放っています。
春に卒業する人たちの清々しさは、冬籠もりを吹き払う一陣の息吹きの発露です。散華した花々や枯葉の祈り、人々の思い出や成し遂げられた成果が、冬の季節中ずっと大地の女神のみ胸に受け止められて大切に温められていました。
冬の大地の懐から一斉に春に向かって解き放たれてゆくものに、思いを馳せてご覧になってください。春の訪れは一斉にいのちが芽吹く音や、何か真新しいものが張りつめてゆく予感に耳を澄ませるのに、ぴったりの季節なのですから・・・そして自分の心の中からあこがれ出るものを、今年こそは大切に育くんでみてください。
今年の3月の満月は十五夜の晩に訪れました。かぐや姫が竹の中で光り輝いたのはこんな満月の晩でした。もし重力がなかったならば月に向かって竹は、垂直に伸びてゆくことでしょう。月に育てられた竹のいのちを食(は)み、この世の試練を純粋に乗り越えたかぐや姫は、時の翁に見送られて中秋の名月の晩に旅立ちました。人生の春秋の満月に「卒(そ)」立つものの端緒が、この世には一杯あるのではないでしょうか?芳しい春の満月の祝福です。
(イザヤ・パンダさん)
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