消息不明の艾芬医師、動画で無事報告するも「表情が不自然」との指摘

2020/04/17 更新: 2020/04/17

消息不明になったと報道された武漢市の女性医師、艾芬(ガイフン)氏は4月13日、中国SNS上で動画を更新し、無事であることを報告した。しかし、ネットユーザーらは、動画の中で、艾医師の様子と話しの内容が不自然だと指摘し、中国当局の監視下に置かれているのではないかと指摘した。

動画の中で、3月末から姿を見せなかった艾医師は、白衣を着て、マスクを着けて、勤務先の武漢市中心医院の救急治療室の前に立ち、やつれた様子で「皆さん、安心してください。私は元気です。ありがとうございます」と話した。

同動画は海外のツイッターにも転載された。ネットユーザーは「(中国当局に)消されていないのがわかって、ほっとした」「安全に気を付けて」などとコメントを投稿した。

また、一部のネットユーザーは、33秒間の動画の中で、艾医師が「31回もまばたきをした」「不安な目つきをしていて、リラックスしている感じが全くない。不自然だ」「任務を終わらせようという感じがする」「台本を読んでいるみたいだ」と指摘した。

 

中国誌「人物」は3月10日、艾芬氏のインタビュー記事を公開した。艾氏によると、昨年12月30日に、武漢市で発生した原因不明の肺炎について、「重症急性呼吸器症候群(SARS)」のコロナウイルスによる感染症だと同僚に警告した。その後、艾医師は武漢市中心医院側から「最も厳しい叱責」を受け、口止めされたという。

同記事は3月10日の内にネット上から削除され、「人物」誌も書店から消えた。

国際社会は、艾医師が消息不明になったことに注目した。豪テレビ放送局「ナイン・ネットワーク」は3月29日、各国メディアの中で最初に、艾医師が消息不明になったと報道した。米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)4月13日付は、国境なき記者団(RSF)が中国当局に対して、艾医師の近況を明らかにするよう求めたと報じた。

米政府と世論は、中共ウイルス新型コロナウイルス)のまん延をめぐる中国当局の初動対応の遅れについて批判を強めている。中国外務省の華春瑩報道官は4月9日、ツイッターでコメントを発表し、米高官らに対して「いつでも中国を訪問するのを歓迎する。(中国の)町で誰とでも話しができ、自由を楽しもう」と書き込んだ。

米連邦通信委員会(FCC)のブレンダン・カー(Brendan Carr)委員は、華氏の投稿に反発した。カー氏はツイッターで、「中国の感染実態を報じた市民記者の陳秋実さん、方斌さん、李澤華さん、艾芬医師と(中国当局を批判した)富豪の任志強氏らに面会したい」、華氏に対して「それでもその約束通りに段取りしてくれるのか?」と質問した。

(翻訳編集・張哲)

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