オーストリア、極右・自由党の閣僚辞任 連立崩壊

2019/05/22 更新: 2019/05/22

[ウィーン 21日 ロイター] – オーストリアのクルツ首相率いる中道右派の国民党が極右の自由党(FPO)との連立を解消したことを受け、自由党出身の全閣僚が21日、辞任した。

クルツ首相は18日、国民党が自由党との連立を解消したと表明。自由党党首のシュトラッヘ副首相が2017年の選挙直前に、ロシアの新興財閥関係者と名乗る女性と接触して、政治的もしくは金銭的支援の見返りに政府契約の便宜を図ると申し出た疑いが浮上し、党首と副首相を辞任したことを受け、連立解消に至った。

クルツ首相の要請を受け、ファンデアベレン大統領はこの日、自由党出身のヘルベルト・キックル内相の罷免を承認。これを受け、自由党出身の他の閣僚も辞表を提出し、受理された。自由党が支持した独立派のカリン・クナイスル外相は留任した。

大統領はクルツ首相に新たな閣僚の指名を要請。クルツ氏はこの日の夕方までに候補者リストを提出する。

クルツ首相は18日、できるだけ早く国民議会(下院)の総選挙を実施する方針も表明。ただ、9月に実施されるとみられる選挙までの暫定政権が議会承認を得られるかは現時点で不明。このほか、欧州議会選挙後の来週27日にも提出される可能性がある内閣不信任案が可決されるかについても、現時点では不透明だ。

Reuters
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