台湾、刑法修正案を通過 中国スパイへの死刑求刑を可能に

2019/05/09 更新: 2019/05/09

中華民国国家機密保護法刑法修正案は立法院(国会)で7日、三読通過後、可決・改正された。台湾で暗躍する中国共産党政権のスパイを厳罰にすることが最大の目的だ。国家機密保護法の修正案は、国家機密を中国共産党政権に漏えいする者に対して、15年以下の有期懲役刑を科すと定めた。刑法の修正案は、中華民国に対して武力を行使するまで至らせる機密漏えい者に死刑を科すことを可能にした。

国家機密保護法は、各地の首長、政務官、退役将校など国家安全に関わる公職員や軍人が退職後の3年以内に、出国の際、渡航先や出国目的を届け出る必要があると定めている。修正案は、「退職後の3年間」を「6年間」にした。

また、同修正案は中国本土、香港、マカオを国家機密保護法の規制範囲内にした。中国本土や香港などの外国政府や敵対勢力のために、機密情報を収集し漏えいする者には3年以上、10年以下の有期懲役刑を、極秘情報を漏えいする者には15年以下の有期懲役刑を科す。

一方、立法院では同日、三読で刑法に関する修正案も通過した。中国本土、香港、マカオ、外国敵対勢力のスパイや中国共産党に機密情報を漏えいした者には、刑法の外患罪が適応される。外患罪第103条は、外国またはその派遣者と通謀し、意図的に同国または他国を、中華民国に対して武力を行使させる者に対して、死刑または無期懲役を科すと定めている。

王定宇・立法委員(国会議員、民進党)によると、中華民国の刑法改正は、1935年以降初めてのことだ。これまでの刑法は、中国共産党政権の「中華人民共和国」について、中華民国の「本土地区」とし、外患罪が定義する「外国」あるいは「敵国」と見なさなかった。このため、刑法の国家安全を守る役割が果たせず、中国当局のためにスパイ行為を行った退役将校などを厳罰にできなかった。「国を裏切った退役軍人らが依然として高い退職金を受け取れるという理不尽な状況が続いていた」。

王氏は、刑法の修正案は、中国当局による軍事的脅威や台湾への浸透活動強化を念頭に置いたものだと強調した。同氏は「刑法を修正し、台湾の国家安全と自由・民主を守っていく」と述べた。

(翻訳編集・張哲)

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