日本が20機以上のF35A追加調達へ、国内組立取りやめも=関係者

2018/02/21 更新: 2018/02/21

[東京 21日 ロイター] – 日本政府は、米国から最新鋭のステルス戦闘機「F35A」を20機以上追加購入する方向で調整に入った。調達費が割高になる国内での最終組み立てを取りやめ、完成機を輸入することも検討している。これとは別に、垂直に離着陸可能な「F35B」の購入も米国側と協議している。

日米の複数の関係者が明らかにした。今年末にまとめる5カ年の中期防衛力整備計画に盛り込む。

日本は航空自衛隊の「F4」戦闘機の後継として、F35Aを42機調達することを決定済み。今年1月末、青森県の三沢基地に1機目が配備された。

これに加えて購入するのは、200機ある「F15」戦闘機の一部後継分。関係者の1人は、日本の予算や米メーカーの生産能力を考慮すると、25機前後の調達が現実的としている。

日本はF15について、半分の100機を改修して使い続けることを決めているが、改修不可能な100機の扱いが焦点になっていた。F35Aに置き換えた後の残り70─80機については、さらにF35Aを追加するのか、開発を検討中の将来戦闘機で代替するのか検討していく。

F35Aは、米国を中心に英国やイタリアなど9カ国が国際共同開発したステルス戦闘機。開発に加わらなかった日本は、自国の防衛産業が製造に参画できるよう、自衛隊向けの機体を国内で最終組み立てすることにしている。

しかし、その場合の調達価格は1機約130億円と、完成機を輸入するより数十億円規模で割高になるため、追加購入分については国内での組み立てをやめる案が浮上している。

さらに日本は、F35のB型を調達することも検討している。F35Bは短距離滑走で離陸できるほか、垂直に着陸することが可能。沖縄県の那覇基地が使えなくなった場合でも、離島の短い滑走路で運用できるF35Bで南西諸島の制空権を失わないようにする。

空母のような広い甲板を備えた「いずも」型護衛艦を改修したり、強襲揚陸艦を建造して洋上で離発着することも想定している。

日本政府は「まだ明確な方針が決まっているわけではない。防衛省内でどのような戦闘機の態勢にしていくかは検討中」(小野寺五典防衛相)としている。

 

(久保信博、ティム・ケリー 編集:田巻一彦)

Reuters
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