大紀元時報

諸葛亮の羽毛扇に秘めた物語

2018年01月02日 08時00分
(Photo AC)
(Photo AC)

 道士は言った。「あの鶴は毎晩、夜中の1時に鶴の姿に戻り、天河まで飛んでいって風呂に入る。この時、お前は彼女の部屋に入り、彼女の衣服を燃やしなさい。この衣服は彼女が天宮から盗んできたもので、燃やしてしまえば二度と美しい女性に化けることができなくなる」。

 諸葛亮は、道士の指示通りに行なうことを決心した。出かける間際、道士は諸葛亮に一本の杖を渡した。「あの鶴は、寺が燃えているのを見れば直ちに天河から飛び降りてくるだろう。もしお前を攻撃しようとしたら、この杖で追い払いなさい。このことをしっかりと覚えておきなさい」。

 諸葛亮はその日の夜中の1時にそっと寺まで行き、ベッドの上の衣服に火をつけて燃やしてしまった。

 ちょうどその時、天河で風呂に入っていた鶴は異変に気付き、急いで地上に降りてきた。鶴はくちばしで諸葛亮の目をつばもうとしたが、諸葛亮は道士から貰った杖を振って鶴を地面にたたきつけ、その尻尾を捕まえた。鶴は必至で抵抗して逃げ去ったが、鶴の尻尾の羽毛だけが諸葛亮の手に残った。

 鶴は尻尾の羽毛が無くなったため、天宮の他の鶴たちと形象が違ってしまった。それ以降、二度と天河で風呂に入ることができなくなり、永久に人間の世界に留まって白鳥の群れに混ざって生きていくことになった。

 それからというもの、諸葛亮は勉学に一層励み、この教訓を忘れないために鶴の尻尾の羽毛を保存して常に己を戒めた。それから数年後、道士は諸葛亮に教えを伝え終えると別れを告げた。

 道士は去る間際に、諸葛亮に一つのものを残して行った。それは、諸葛亮がよく着ることになる八卦衣(道士が着る服)だった。

 その後、諸葛亮は道士が自分に授けた教訓を忘れないために、鶴の尻尾の羽毛を使って羽毛扇を作り、常に手に持って慎重に物事に対処するよう心がけた。これが有名な、諸葛亮の羽毛扇の由来である。

(2010年5月31日の記事を再掲載致しました)

(翻訳編集・和田美野里)

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