中国高官、香港の一国二制度を相次いで否定

2017/12/07 更新: 2017/12/07

中国当局の駐香港高官がこのほど、高度の自治を保障する『香港基本法』は当局が制定した憲法の関連法だとの認識を示し、香港は返還後から「中国共産党の支配下にある」と発言した。専門家は、中国高官が公の場で一国二制度を露骨に否定したのは初めてだとした。

「中国憲法日」に当たる12月4日、中国共産党中央政府駐香港連絡弁公室(中連弁)の王志民・主任は同ウェブサイトで評論記事を発表した。

同氏は、中国憲法と香港基本法は「親子関係だ」とし、香港は(中国の)国家憲法を必ず尊重しなければならないと述べた。また、現在の香港は社会主義制度ではないが、憲法の下では社会主義制度が「根本制度」であるため、香港も「社会主義を必ず尊重せよ」とした。

一方、中連弁法律部の王振民・部長は4日香港で開催された会議では、香港が97年返還直後に「すでに赤色になった」と発言し、この20年間中国共産党支配下に置かれているとの見解を示した。また、同氏は香港と中国共産党は「運命共同体」だと強調した。

一連の発言は中国当局が97年に香港返還当初から、香港市民に高度な自治権を与えるつもりはなかったことを浮き彫りにした。

香港公民党の梁家傑・主席は、両高官の見解は「ここまで露骨に香港の一国二制度、高度の自治と港人治(香港市民が香港を統治すること)を覆したのは初めてだ」と話した。

梁主席によると、香港市民は、1949年中国共産党が政権を奪って以降、当局が本土で起こした様々な政治運動や国民の人権・自由への侵害などを目にしてきた。同様な状況が香港でも起こりうると危惧した香港市民の強い要請の下で、97年香港の中国返還前に『中英連合声明』と『基本法』が誕生した。『中英連合声明』には、香港での資本主義制度を50年間維持されるなどが盛り込まれている。

「97年返還前にこのような発言があったら、返還に反対する香港市民が急増していただろう。典型的な背信行為で、騙しだ」と梁主席が批判した。

中国外交部報道官は、香港返還20周年を迎える今年6月30日、「『中英連合声明』は歴史的な遺物であり、現実的にいかなる意味もない」と発言した。これを受けて、イギリス政府は、同声明は国連で承認された法的効力を持つ条約だと、強く反発した。

梁主席はまた、中国の現憲法は国家憲法ではなく、「実質的に中国共産党の党規約」と非難した。「中国現憲法の序文では、『中国共産党の指導の下』とはっきり書いてある。他のどの国の憲法を見ても、このような記述はない」。

(翻訳編集・張哲)

 

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