中国、空前のネット生中継ブーム 利用者3億人 犯罪懸念で実名認証化へ

2016/10/14 更新: 2016/10/14

中国ではインターネットで有名になり、広告料を稼ぐ「網紅」になるのを夢見て、ますます多くの若者がパソコンやスマートフォンでネット生中継を始めている。そこで、上海市警察当局は犯罪増加を防ぐため、これまで45万人のパーソナリティーに対して実名認証を実施した。

犯罪温床に 過激行動で注目集める若者たち

中国国内メディア「新聞晨報」(12日付)によると、ファンの拡大で莫大な収入を狙い、女性パーソナリティーの露出が多くなり過激な性的コンテンツまで現れている。また詐欺の増加で、ネット生中継が犯罪の温床になりつつある。このため、上海市公安当局は7月、市内ネット生中継を行う個人やプラットフォームを対象に、取り締まりを踏み切った。

中国では今年に入ってからネット生中継ブームが急速に拡大した。中国ネットワーク情報センター(CNNIC)が8月に発表した『第38回中国インターネット発展状況統計報告』によると、今年6月までのネット生中継利用者がインターネット利用者全体の約46%である3.25億人に達し、その約6割が19~23歳、いわゆる「90後」の若者だという。

一部の若者は一日も早く「網紅」になりたいと、無防備の状態でスズメバチの巣を壊す様子、大量のラー油を飲む様子、3日間連続寝る様子などと様々な奇怪なことをネット上で中継する。中では、妊娠後に流産する過程を中継する未婚の女性パーソナリティーが現れ、中国社会に大きな衝撃を与えた。

この社会現象に「中国社会がおかしくなった」「中国の若者はどこに向かっていくのか」と懸念する声が多い。過激行動をさらすネット生中継は、社会の道徳的価値の低下を表す一例に過ぎない。中国の伝統的な修養に立ち返らなければならないと真に理解できなければ、モラル滑落の歯止めはかからない。

(翻訳編集・張哲)

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