【紀元曙光】2020年11月8日

オールドファンには懐かしい映画『十二人の怒れる男』(1957)。
▼殺人罪に問われている少年について、密室の中で、陪審員による評決が始まる。有罪か、無罪か。12人のうち11人が、犯人は少年に間違いないとして有罪を主張。しかし、検察の立証に疑義を感じた陪審員がいた。彼は、ただ一人、再度の審議を求めて「無罪」を主張する。
▼勇気ある陪審員を演じたのは、今は亡き名優ヘンリー・フォンダである。12人の男たちによる緊迫した討論が進み、ついに当初の評決が逆転して「少年が犯人とは言えない」という結論に達する。陪審員は、法曹界の人間ではなく、それぞれ自分の職業をもつアメリカ市民である。その日、野球観戦に行きたい陪審員は、「裁判はどうでもいいから、早く終わらせろ」が本音だった。
▼いろいろな人間がいる。そう言うしかない米国で3日、世界最大規模といってよい大統領選挙が行われた。大紀元以外の他社メディアは皆、「当選者が確定」を前提として報道している。日本の菅首相も、外交辞令ではあろうが、バイデン氏への祝意をツイートした。すべてが、汚染された濁流に、騙されるように流されていく。
▼残念ながら、ヘンリー・フォンダは、今の米国にはいない。
▼そのような中、大紀元英字版が声明を発表した。「大紀元はすべての結果が認証され、訴訟が解決されるまで、2020年の大統領選挙の勝者の発表を控える」。言うまでもないが、真相真実を伝えるのがメディアの使命である。俗っぽい言い方で恐縮だが、大紀元は「本気」なのだ。他社メディアとは、違う。