【紀元曙光】2020年10月20日

21世紀に、よくもまあこんな国があったものだと思う。
▼今書こうとしているのは中国や北朝鮮ではない。東欧のベラルーシ共和国のことだ。地図を見ないとどこだか思い出せないが、ともかく旧ソ連の崩壊後に、その残骸のなかから生まれた新しい国である。
▼そうであるならば、さわやかな民主国家としてスタートすればいいものを、なぜか時代に逆行するかのように、国民の自由を抑圧する独裁体制をとっている。その理不尽を挙げればきりがないが、なんとこの国の女性には、男性と同等の選挙権が付与されていないという。最近のニュースでそれを聞き、腰を抜かすほど驚いた。
▼あまりの時代錯誤に対して、当然ながら男女を問わず市民から抗議の声が上がる。それを棍棒で殴りつけ、片端から拘束していく警官たち。中国の城管(中共に雇われた暴力的な自警組織)を見るような醜悪な光景が、ベラルーシにもある。
▼現在の大統領アレクサンドル・ルカシェンコという男は、欧州最後の独裁者と呼ばれている。無神論者。破綻寸前の国内経済に見向きもせず、自己の権力基盤を固めるばかり。とりわけ2012年からは中国に接近し、習近平と個人的な関係を深めたらしい。なるほど、ワルは互いに同類を求めるものだ。
▼来年のノーベル平和賞候補に、ベラルーシの反体制派の女性3人が推薦されたという。それは結構だ。しかし、忘れてはならない。地球上における最大の元凶は中国共産党なのである。その他の北朝鮮やベラルーシは、ただ中共を目立たなくするために、宇宙の邪神が配置した小ぶりな毒草にすぎない。