トランプ氏、大統領選終盤戦も各地で集会 コロナ感染急増でも

2020/10/29 更新: 2020/10/29

[ブルヘッドシティ/ウィルミントン 28日 ロイター] – 米大統領選まで1週間を切る中、トランプ大統領は各地を奔走し、大規模集会を開催している。しかし、新型コロナウイルス感染が急拡大する中、支持者の健康よりも自身の再選を優先していると批判も高まっている。

トランプ大統領は28日、アリゾナ州で集会を開催。前日はミシガン、ウィスコンシン、ネブラスカ3州を遊説した。29日にはフロリダ、ノースカロライナ両州に向かい、30日は再び中西部に戻ってミシガン、ウィスコンシン、ミネソタ3州を訪れる。

アリゾナ州ブルヘッドシティでの集会でトランプ氏は、新型コロナワクチンが近く実用化されると改めて強調。「私ではなく寝ぼけたジョー(・バイデン氏)が大統領になれば、あなた方にワクチンが供給されるまで4年かかるだろう。一度もワクチンが使えないことになる」と述べた。この日は同州の州都フェニックス郊外でも集会を開く。

トランプ氏の顧問は、バイデン氏がテレビ・ラジオの広告を独占しているため、集会は「貴重」だと指摘。「集会はメディアに大きく取り上げられ、バイデン氏の資金面でのリードに対抗する一助になる。FOXニュースが基本的に全ての集会を運営している」と述べた。

また、集会の開催場所は概ね、マスク着用率が低く、コロナの悪影響への懸念が比較的小さい地域だと説明した。

トランプ陣営によると、残りの1週間で10州を訪れ、最後の48時間には計11の集会を開催する計画という。

ロイター/イプソスが28日発表した米大統領選の激戦州支持率調査によると、アリゾナとフロリダの両州でトランプ大統領と民主党候補のバイデン前副大統領がほぼ互角となった。[nL4N2HJ4ZI]

感染症専門家は、新型コロナ流行中の大規模集会開催は公衆衛生に深刻なリスクを及ぼすと警鐘を鳴らす。

ミシガンとミネソタの州当局者はロイターに対し、両州でトランプ大統領の集会に参加し、後にコロナ検査で陽性が判明した感染者を確認したと明らかにした。ただ、実際に集会で感染したのかは不明という。

トランプ大統領は、メディアが新型コロナ関連ニュースを大量に流し、自身に痛手を負わせていると批判。コロナが「フェイク(偽)ニュース、レイム(くだらない)ストリームメディアによる念仏だ」とツイッターに投稿した。

バイデン氏は、トランプ政権が公衆衛生を巡る安全を軽視し、明確なコロナ対策を打ち出せずにいると批判。「トランプ氏の指導者としての期間が長引くほど、同氏はますます向こう見ずになる」と述べた。

世論調査によると、有権者はコロナ対応を巡り、トランプ氏よりもバイデン氏の手腕に信頼を置いているもよう。

バイデン氏と妻のジルさんはこの日、自宅のあるデラウェア州ウィルミントンで期日前投票を行った。

米フロリダ大学の「米選挙プロジェクト」によると、これまでに期日前投票を済ませた有権者は7500万人を超えた。

トランプ大統領も24日、フロリダ州で期日前投票を済ませている。

*内容を追加しました。

Reuters
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