新疆の法輪功学習者、信仰放棄まで無期限に拘束 政府が命令=伊メディア

2020/09/07 更新: 2020/09/07

法輪功学習者など信仰のある人々は、その信仰をやめると公言するまで、強制収容所に無期限に拘束されている。中国共産党による人権弾圧をメインに伝えるネットメディア、ビター・ウィンター(Bitter Winter)は9月6日、2018年発表の新疆ウイグル自治区政府の公式文書を引用して伝えた。

釈放されるには5つの条件があるという。5つの条件とは、信仰の活動に参加しないとの誓約書にサインすること、所有する全ての信仰に関する資料を提出すること、信仰を否定すると公言して自身がその信仰を完全に拒絶していると表明すること、ほかの学習者の情報を提供すること、政府当局が他の学習者の考えを変えるように協力することだという。

ビター・ウィンターは、イタリアの宗教研究者マッシモ・イントロビーネ氏が創刊したウェブメディア。法輪功やウイグル、チベット、キリスト教など中国国内の信仰の迫害について報道している。同メディアによると、考え方を変えるために収容所に強制的に入所させられ、拷問や思想洗脳などの弾圧を受けている。

ビター・ウィンターによれば、中国政府が承認していない宗教団体は「国家安全上の脅威」とみなされ、信仰を持っているというだけで「教育と更生」の対象となる。

法輪功情報サイト・明慧ネットによると、新疆政法委員会は2017年初め、法輪功学習者を逮捕するための秘密命令を出した。同年7月から、法輪功を信仰し続ける学習者は、「学習クラス」と称する強制収容所に送れられたという。

拘束された学習者は拷問や精神的虐待を受けており、安否が不明だという。新疆政府は、収容所の法輪功学習者の家族との面会を「伝染病」を理由に拒絶している。

明慧ネットによれば、新疆のすべての法輪功学習者は「ブラックリスト」に登録されており、警察に身分証明書の提示を求められれば、拘束される可能性がある。

 アムネスティ・インターナショナルの東アジア地域ディレクター、ニコラス・ベクラン(Nicholas Bequelin)氏は、「いわゆる『集中教育キャンプ』は洗脳と拷問の場となっている。国家や中国共産党に服従しない者は誰でも悪名高い労働収容所に入所させられることになる」とビター・ウィンターに語った。

(翻訳編集・佐渡道世)

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