サンフランシスコ中国領事館もスパイ拠点=米政府関係者

2020/07/30 更新: 2020/07/30

米国はスパイ行為などの安全保障問題を理由に、ヒューストン中国総領事館を閉鎖させた。米国政府関係者は相次ぎ、米国技術系の大手や研究機関が集まるシリコンバレーに近い、サンフランシスコ中国総領事館を名指しして「スパイ活動の拠点」と明言した。

日本メディアNNNの単独インタビューに応じた、米国務省のクラッチ次官は、サンフランシスコ中国総領事館が「中国人スパイをかくまうスパイの拠点」であり、ターゲットはシリコンバレーであると述べた。

サンフランシスコの総領事館は7月23日、米司法省によりビザ詐欺で起訴されている中国人民解放軍所属の研究者ら4人のうち1人をかくまった。この1人は、25日までに拘束された。

クラッチ次官は、中国領事館の追加閉鎖の可能性については、中国側の様子を見ると述べるにとどまった。

いっぽう、米メディア・アクシオスは29日、米国の元情報当局者の話を引用して、サンフランシスコ中国総領事館が主要なスパイ活動の重要な拠点だと伝えた。

中国共産党政権は以前から、大使館や領事館を通じて、在外中国人の反体制派の情報を収集したり、中国人留学生の情報収集活動を指揮していると非難されてきた。

2018年、ある中国学生学者協会(CSSA)会長はフォーリン・ポリシー誌に「領事館がCSSAをますます厳しくコントロールしようとしている」と語った。

アクシオスの報道によると、中国大使館や領事館は、共産党の影響力を広げるために中国人留学生に資金援助している。また、留学生たちに対して「党のイデオロギー」に関するセミナーを開催し、報告書を出すなど「条件を満たしている」ことを確認するよう、CSSAの会長に求めているという。

米メディア・ポリティコは、サンフランシスコ領事館はスパイ活動が横行しており、ベイエリアのシリコンバレーは標的とされ、企業秘密やハイエンド技術が盗まれていると報じている。

「これは企業をターゲットにした非常に微妙な形の諜報活動だ」情報筋は、サンフランシスコ領事館によるスパイ活動は「ほぼ毎日、この地域で行われていた」と付け加えた。

海外の中国当局者は、技術的な情報収集に加えて、米の政治情報も長年、収集してきた。

ポリティコの報道によると、2018年、カリフォルニア州の民主党上院議員ダイアン・ファインスタイン氏の補佐官で中国系アメリカ人の男性はサンフランシスコ中国総領事館を通じて、長年にわたって中国安全部に政治情報を渡していた。

(翻訳編集・佐渡道世)

関連特集: 浸透工作