【紀元曙光】2020年7月12日

(前稿より続く)中国に対する日本人の意識は、確かに以前とは変わった。
▼変わらなければ、おかしい。これほど傍若無人で、全世界に大迷惑を及ぼす土匪(盗賊)的国家が、よくも21世紀にあったものだと思う。日本人の意識は1972年に日中国交回復した当時とは異なり、共産党の中国を認めるべきでない、というところまでようやく進んだ。代わって、台湾のほうにこそ、本来の中国文化が保存されていることを、相対的関係のなかで日本人は知るようになった。
▼だが、まだ経済面での中国依存度は高い。80年代後半から90年代にかけて、中国で改革解放路線と宣伝されたころ、日本はバブル景気に沸いた。中国という巨大市場に誘惑されたばかりか、日本の中小の製造業までが「安い労働力」に乗せられて、生産工場を中国に置いた。その結果、煮え湯を飲まされ、多くが撤退した。
▼中国側企業と日本企業との間に、中国共産党という「官」と、日本人には理解不能な「人間関係」が幾重にも入りこんでくるため、総額としての日本側の払いが膨張してしまう。これでは、まともな商売はできない。
▼この時に中国リスクを思い知ったはずなのだが、向こうが老獪で、日本がお人好しだったせいか、日本経済界としての「脱中国」は、今も中途半端なままである。
中共ウイルスは、この日本で、いつでも大爆発する危険性をはらんでいる。第二派などという無知なマスコミがあるが、第一波も第二派もない。ただ、日本と日本人は、中国共産党に対して、その存在を許さぬという旗幟を鮮明に示せるか否かが、まさに試されているのだ。(次稿へ続く)