【紀元曙光】2020年6月2日

香港の一国二制度について「崩壊した」とする記事が、各メディアに多くみられる。
▼確かに崩壊した。現状の体制が50年維持される約束が、23年で反故にされたのだ。そもそも「一国二制度」は、今更ながらだが、中国共産党お得意のまやかしだった。それが露呈しただけである。
▼当初は「50年の間には、中国本土も民主化されているだろう」という甘い観測があった。もちろん2003年7月1日に、「基本法23条」立法化に反対する50万人デモが起きた時点から、その甘さは指摘されていた。当時は、民主派が香港議会を多く占めていた。そこから今日に至るまでの中共の狡猾さは、闇夜に忍び寄る毒蛇かと思うほどだ。
▼小欄の筆者も、1997年7月1日の香港返還セレモニーをテレビで見ながら、「50年あれば、なんとかなるだろう」と思った記憶がある。今思い出して、大いに反省している。なにしろ、そのセレモニーの中国側代表が江沢民と李鵬だった。最悪である。中国は、法の上に「党」がある奇形国家なのだ。ゆえに「法治の下での民主化」は、ありえない。
▼29日付け小欄は、国家安全法の香港適用決定は、中国共産党にとって「自ら地雷を踏んだ」と書いた。もちろん香港市民に犠牲がでないことを祈るが、この先にあるのは「天滅中共」。徹底的な壊滅である。
▼では、どうするべきか。良心ある人も国も、中共から離れ、その対極である神の側に立たれよ。日本は、「中共解体後の中国」こそ、正常な外交相手だと腹をくくるのだ。天罰で滅ぶか、生き残るか。その時が、ついに来たのである。