顔から読める、あなたの内心世界

東方文化の中には昔から「面相術」があり、人の面相から、ある程度その人物の運命を読み取ることができる。また、漢方医学の「望診術」は、人の顔から、その人物の健康状態を言い当ててしまう。このような術の心得がなくとも、ある程度の人生経験を積み重ねれば、多少なりとも人の顔つきからさまざまな情報を推察することは可能だろう。

 米国の心理学者、リオボト・ベラコ博士は、30年の研究経験を積み重ね、顔の表情から内心の世界を解読する本を出版した。著書の中で博士は、解剖学、行為学、心理学の面から、人の顔に現れる人生の情報を解読できると説明している。

顔は人生の縮図である

人の表情は皮膚の下にある筋肉の動きによって決まる。顔の外形は、その人物特有の気質、情緒及び心境の変化を永久に記録している。内心の変化は、顔の筋肉を収縮させ、やがてこのような習慣的な筋肉の収縮が、人の顔に永久的な記録を残していく。

 生まれたばかりの子供は、社会経験がないので、顔の表情にいかなる痕跡もない。子供は成長とともに、社会経験と人との付き合いが増えるにつれ、 多くの習慣的動作、姿勢、言語が顔の表情に痕跡を残す。これとともに、顔は日ごとにその人の性格を表すようになってくる。例えば、普段、恐怖の体験が多く、目を大きく見開いて物事を見る人は、その目の周囲の筋肉に徐々に深い痕跡が残される。その結果、たとえまったく恐怖を感じない状態でも、その顔にかすかな不安と恐怖の表情を伴うようになってしまう。

顔の左半分は、より内心の真実が現われやすい

博士の研究によると、人の顔の左半分と右半分から反映される情報は、同じではない。顔の左右には、それぞれ異なる性格の特徴、気質と心境が現われる。多くの場合、顔の右半分は、快楽、敏感、脆弱、率直など、生活環境や人生経験の変化を示し、左半分は内心の陰湿、厳粛、冷酷、憂鬱などの性格を反映すると考えられている。また、顔の左右の変化は、大脳の左右半球の機能分担に関係があると指摘している。

モナ・リザは多重人格の女性

博士の分析によれば、モナ・リザの右目は左目より少し小さい。これは皮肉や蔑視の心境を表している。彼女は右側の口角部をぎゅっと締めている。これは情欲を抑えている表情である。左目は憂鬱なほほえみを現し、口の左半分は緩んで、穏やかな表情を示している。弱々しく力が乏しい顎とまろやかな頬は、ある種の情欲を伝えている。絵画に描かれた顔からみれば、モナ・リザは人々が思うほど清らかで優しい女性ではなく、むしろ自制心が強く、情欲を深く潜めている多重人格の興味深い女性である。