フェミニズムの弊害

2020/01/12 更新: 2020/01/12

以前、私はビバリーヒルズに住むあるバツイチの不動産業者からメールを受け取った。

「親愛なるスーザンへ 貴方に関する記事を読みました。私の娘のことで相談があります。彼女は38歳のキャリア・ウーマン、高学歴(アイビーリーグ卒)で創造力豊か、知的で洗練された、愛情あふれる成功者です。モデルのような体型で非常に魅力的ですが、驚くことに彼女は理想のパートナーを見つけられないのです。私から見れば、彼女は無意味な関係に無駄な時間を費やしてきました。彼女はそれに不満を持っているし、何より子どもを欲しがっているのです。数人のカウンセラーにも相談しましたが、彼女はいまだに独身です。彼女の友人は全員結婚していて子どももいます。彼女がなぜ理想のパートナーに出会えないのか、私にはさっぱり分かりません。アドバイスをいただけないでしょうか」

このメールを書いた人の悩みは、珍しいものではない。今日、多くの女が同じ問題に直面している。彼女たちは人生の成功者かもしれないが、愛を得られないのである。さらに、彼女たちがたとえ結婚相手を見つけたとしても、それは長い戦いの半分が終わったにすぎないのだ。

戦いの後半戦は、どうやって「夫を保つか」

「夫を保つ」という言い方は、適切ではないかもしれない。なぜならば、離婚を要求するのは男性側だけではないからだ。70%の離婚は妻側からという報告もある。悲しいかな、女性は相手を見つけたとしても、どうすれば結婚を維持できるのかが分からないのである。

こじれた男女関係の原因はたくさん考えられるが、フェミニズムがその中でも突出している。女性も男性のように、後腐れのない自由なセックスができると教えたのはフェミニズム。「男に頼るな」と教え、夫と子どもは自分のキャリアの邪魔になると提唱したのもフェミニズムだ。家族を作るよりも、外で働くことを奨励し、女らしさをバカにするのもフェミニズムである。

最も注目すべきことは、性は「平等」とフェミニズムが主張し、アメリカ人はそれを受け入れた。それは、性の価値が平等という意味ではなく、男女の性を「同じ」とする概念である。フェミニストは、もし両親や社会が許容すれば、性は変換可能であると言う。女性は男性と同じ事ができるし、同じ選択ができる。フェミニストによれば、性別の違いはすべて社会構造に由来するのであり、身体的な相違は何の関係もないのだ。

これは、今世紀最大の嘘である。それにも関わらず、フェミニストたちの企みは成功し、性と性的役割は、いまや時代遅れと思われている。しかし、問題は、私たちがそれに代わるよい社会システムを持っていないことだ。その結果は、行き止まりの混乱した社会である。多くの男女が、互いにどうやって付き合い、あるいは結婚するのかも分からなくなっている。

どちらがデートに誘えばいいのか?夕食をごちそうするのはどっち?子どもを育てるのは?どちらの仕事を優先すべきなのだろうか?これらの対立と矛盾は、私たちの母や祖母の世代には存在しなかった。しかも、この問題は非常に深刻になっている。

人類学的な真実を述べよう。男性と女性は明確に異なり、互いに補完する存在である。これは人間の身体だけを見ても明らかであり、しかもそれがすべてではない。私たちの心理社会的な要素や、感情的な相違も、男女の違いに大きく貢献しているのだ。

性の特徴も、男女で全く異なっている。女性はオキシトシンのレベルが高いため、必然的に絆や相手との関係を重視する。女性のアイデンティティーは人間関係が重要な部分を占めるため、多くの女性が恋愛のハウツー本を買うし、ラブ・コメディー映画を好む。一方、テストステロンの多い男性は、欲望を掻き立てられやすく、感情とセックスを切り離すことができる。男性のアイデンティティーを確立するのは仕事であり、それをなくしてしまえば、彼は自分を失ってしまう。

これまで、欧米社会は性別の違いを無視してきた。その代わりに、私たちは偽りのイデオロギーを演じてきた。女性は、後腐れのないセックスを楽しめるフリをし、女性も男性と同じく、結婚して子どもを作ることを延期しても大丈夫だというフリをしてきた。女性は、性的にも、またはその他の面においても、はっきりと男性とは異なるにも関わらず、これらすべてを演じてきたのである。

和やかな関係を保つために、カップルはまず男女の違いを認識し、お互いの価値を認めることが大切である。男性は平均的に、そして多くの場合、男らしい性質を持つ。従って、男性は剛直で男らしい。一方、女性は平均的に、そして多くの場合、柔和で女らしい。従って、女性は気配りのできる優しい性質を持つ。もちろん、部分的に重なるところもあるだろう。しかし、本来の性質を無視することは、対立と矛盾を増やすだけだ。

性別の相違、また性的な不平等が、私たちの愛を育む。もしそれに感謝することができれば、妻は彼女の夫がなぜそうなのかと悩む必要もなくなる。夫は男だから、そのように振る舞うのだ。同様に、男性も妻の行動が理解できるようになる。彼女がそうしたのは、彼女が女性だからだ。もしお互いが相手との違いを認めるならば、関係はスムーズになるはずだ。男女は同じであるという偽りの平等主義に従うよりも、このアプローチの方が、より解放的だし、実りの多いものである。

すべての不仲の原因は、男性と女性が互いに闘争しているからであり、愛し合わないからだ。永続的な愛をみつけたいのなら、身体的な特徴に従うべきであり、それにさからうべきではない。あなたが求めているものは、そこにあるだろう。

(英文大紀元寄稿文/Suzanne Venker、翻訳編集・郭丹丹)

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