上半身しかない女の子の奮闘記

中国中部の河南省南陽市に住む王娟さんは4歳の時、トラクターに轢かれて両足を失った。娘の悲劇に耐えかねた母親は自殺し、父親は家を出て戻ってこなかった。祖父母に引き取られ、育てられた王娟さんは現在23歳。「足がないということ以外、私は他の人と何も変わりません。手を使って、自分にしか歩めない人生の道を、輝きながら進んでいくつもりです」と話した。

王娟さんは幼い頃から勉強が好きで、7歳で村の小学校に入学した。最初はおじいさんが彼女を背負って学校まで送り迎えをしていたが、おじいさんの負担を軽減するため、王娟さんは自分の手を使い、歩いて学校に通い始めた。学校までは10数分の道のりだったが、彼女にとっての登下校は大変な試練だった。雨の日はびしょ濡れになり、道路に溜まった泥水で全身泥だらけになった。それでも王娟さんは、自分一人で学校に通い続けた。

村の小学校には5、6年生用のクラスがなく、5年生になってからは3キロ離れている隣村の学校に通わなければならない。おじいさんが簡易の車いすを作ってくれたが、腕力の弱い王娟さんは自力で車いすを走らせることができず、やむを得ずおじいさんが自転車に乗って車いすを引っ張り、学校まで往復した。登下校で大変な苦労をした彼女は、中学校と高校は学生寮に住むことに決めた。

大学進学時、彼女は入試で高得点を得たが、身体的理由により、入学を許可する学校がなかなか見つからなかった。探しに探し、ようやく河南省商丘学院商工業管理学院から入学の許可が下りたという。

王娟さんは小学生の頃からずっと学業優秀で、賞状をよくもらっていた。彼女は、良い成績を取ることがおじいさんへの恩返しになると考えていたのだ。「おじいさんは私を決して見捨てませんでした。おじいさんは私の英雄であり、私の精神的な支えなのです」と彼女は話す。しかし5年前、おじいさんは突然、この世を去った。おじいさんの死はたいへんな衝撃だったが、学校の先生や同級生たちから励まされ、王娟さんは徐々に元気を取り戻していったという。

学校側は彼女の状況を配慮し、4年間の授業料免除の他、毎月400元の生活費を支給している。

「足がないということ以外、私は他の人と変わりありません。自立して、毎日楽しく生活しています。特別に困っていることもありません」と、彼女はいつも笑って話している。

(翻訳編集・勝田)