天使と呼ばれた配管工の男性、91歳の癌患者へ無料サービスを実施

もうじき寒い冬がやってきますが、特に年配者には辛い季節。しかも家にある暖房機器が壊れてしまったら、命に関わります。もちろん修理が必要になりますが、そのお金さえも工面できなかったらあなたはどうしますか?

イギリス配管工をするジェームス・アンダーソンさんは、2017年より身体に障害がある人や、高齢者向けに無料で暖房機器の修理を請け負うサービスを開始します。

Photo Courtesy of James Anderson

この活動はフェイスブックで世界中にシェアされますが、中でも彼が修理を担当するごとに、顧客へ残したという請求書の存在が注目を浴びています。ことのきっかけはジェームスさんが、白血病の病と闘う91歳の女性宅にお邪魔した時。

ジェームスさんはボイラーの修理を終えると、その女性の娘クリスティー・アン・ロウランドさん宛ての請求書に「我々はあなたのお母さんが心地よく生活できるよう、24時間どんな時でも駆けつけます」とコメントを残し、さらに請求額を「0パウンド」無料にしていたといいます。

その後、クリスティーさんはフェイスブックで、この素晴らしい配管工の存在をシェアし、「配管工の姿をした天使」と彼の優しさを称賛しました。

Photo Courtesy of James Anderson

CNNのインタビューでジェームスさんは「多くの高齢者や体の不自由な方は、ヘルパーを呼ぶのに抵抗があるようで、たとえボイラーの調子が悪くても、何もせず、結局あとで問題になっていることがあります。だからこそ、この国を支えてきてくれた人々に恩返しの気持ちを込めて、無料で活動しているんです」とコメント。

ジェームスさんの雇う会計士の援助のおかげで、チャリティーのような活動ができる会社の設立が実現します。そこではただ一つのルールを設け、無料でサービスを受けられる人が65歳以上であることと、そしてなんらかの障害がある人に限定しました。

さらにDEPHERというクラウドファンディングを介して、世界中の人々から約37,000ポンド(約490万円)の資金を調達することにも成功します。この膨大な金額は当初希望していた金額の8倍以上だったといいます。

Photo Courtesy of James Anderson

(メモ)
皆さんの温かい支援に心から感謝します。おかげさまで多くの年配者や障害者が、寒さで凍える日々を凌ぐことができます。皆さんは命を救っているのです。これの活動がさらに広がることを願います。彼らを代表して、私から皆さんにお礼をさせていただきます。

多くの人を寒さから救い続けているジェームスさんですが、Channel 5のインタビューでは「人の世話をしているいいやつを演じているわけではありません。この活動を通して、一般の人たちにも影響を与えられる人物でありたい」と答えているそうです。配管工の姿をした天使ならではのコメントかもしれません。

(大紀元日本ウェブ編集部)