米、中国によるイラン原油購入を注視 制裁違反には対処へ=高官

2019/09/11 更新: 2019/09/11

[アブダビ 10日 ロイター] – 米エネルギー省のブルイエット副長官は10日、訪問先のアラブ首長国連邦(UAE)でロイターのインタビューに応じ、米国の対イラン制裁に違反する団体や個人が特定されれば制裁指定を検討することになると述べた上で、中国によるイラン産原油の購入を注視する姿勢を示した。

米政府は昨年、トランプ大統領がイラン核合意から離脱したことを受けてイランの原油輸出に対する制裁を復活。今年5月にはイラン産原油を市場から完全に締め出すため、日本や中国を含む8カ国・地域に対する制裁の適用除外措置を打ち切った。

ブルイエット氏は「米国はイランが変わることを求めているため『最大限の圧力をかける取り組み』を継続する」と表明。

「(制裁違反者が)特定されれば、財務省が制裁指定することになる。(中国で)実際に購入しているのが中国政府なのかどうかについては不明な点がある」と述べた。

一方で、中国石油化工(シノペック)[SASADZ.UL]と中国海洋石油(CNOOC)<0883.HK>の購入は減少したと語った。

中国企業は、米国が制裁を強化しているベネズエラとイランからの原油購入に慎重だが、中国政府は米国との貿易摩擦が激化するなか、8月に米国産原油に5%の輸入関税を課すことを決め、9月に発動した。

ブルイエット氏はまた、米国は「全米のエネルギー生産を促進する政策を推進することになる」と説明。協調減産を進める石油輸出国機構(OPEC)や原油価格への影響については「懸念していない」と語った。

Reuters
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