アメリカ初の自閉症を公言した弁護士 「違うことは特別なこと」

南フロリダ出身のヘイリー・モスは、わずか3歳で高機能自閉症と診断された。両親のリックとシェリーは、言葉を発しないにも関わらず100ピースのジグソーパズルをたやすく完成させてしまうわが子に以前から異変を感じていた。医師は両親に彼女は学校を卒業することも、車を運転することもできないかもしれないと警告した。

しかし24歳になった彼女は、自分の病気をとても印象的な方法で受け止めていた。現在の彼女は作家・芸術家としてだけでなく弁護士としても活躍している。

取材に対しヘイリーは、「人々が『大人』として当たり前にこなす洗濯などの単調な家事が私には簡単ではありませんでした」と語った。しかし彼女はそれを補う以上の優れた学力を持ち合わせていた。

lil_foot_ / Pixabay

自閉症の診断を受けてヘイリーの幼少期に変化が見られた。彼女は4歳のときに特別学級から通常学級へと移り、同世代の子どもたちと肩を並べる決心をした。いつも社交的だった彼女は、「人とのつながりをとても楽しんでいました」と語った。さらに15歳のとき思春期の経験をつづった書籍「Middle School — The Stuff Nobody Tells You About: A Teenage Girl with ASD Shares Her Experiences」を執筆した。

執筆は彼女にとって大切な感情表現になった。「いつも両親から困っている人々や社会の助けになるように言われて育ちました」と彼女は語った。

ヘイリーの社会に対する敬意は、彼女が法律の道を歩む原動力となった。「人々に変化をもたらしたくてロースクールに行きたいと思いました。弁護士になること以上に違いをもたらしたかったんです」

続けて彼女は、「1人の子どもを育てるには村のみんなの力が必要です」とアフリカのことわざに言及した。「そして障害を持つ子どもを育てるにはより大きな村の助けが必要です。私は自身の体験を共有することでだれかの村の一員になれるのではないかと考えました」


 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

#NoLimits on what autistic people can do! Neurodiversity is really cool There will be magic tomorrow night @ucfoundation Thanks, @pbpost !

Haley Mossさん(@haleymossart)がシェアした投稿 –

 

ヘイリーはマイアミ大学ロースクールでヘルスケアと国際関係学を専攻し、2018年5月に同大学を卒業した。学位授与式では大勢の聴衆に向けてすばらしいスピーチを披露した。2019年1月には弁護士会「The Florida Bar」に登録され、弁護士としての活動を開始した。彼女の上司は、ヘイリーはアメリカで初めて自閉症であることを公言した弁護士であり、そんな彼女を全力でサポートしたいと語った。

近年ヘイリーは講演家としても活躍している。彼女のウェブサイトにはこう記されている。「人と違うことは悪いことではありません。ただ違うというだけのことです。そして違うことは特別なことにもなり得るのです」

(大紀元日本ウェブ編集部)